ホリデイ

ホリデイ

The Holiday

2007年2月14日 新宿 明治安田生命ホールにて(試写会)

(2006年:アメリカ:138分:監督 ナンシー・メイヤーズ)

 女の子映画ですね。恋愛映画というより女の子映画・・・という印象が残りました。

恋に恋する女の子が、わあ~って目に星作って観るのが目に見えるような・・・・。

 この映画の面白い所は、クリスマス休暇の間だけ、家を交換する「ハウス・チェンジ」という事ですね。

恋に痛手を受けたアメリカ人女性、キャメロン・ディアスと同じく無様に恋に惨敗したイギリス人女性、ケイト・ウィンスレットがネットで、ハウス・チェンジをする話です。

 アメリカは、ハリウッドの豪邸なのにくらべ、イギリスは(ロンドンから40分とはいえ)こぢんまりとした一軒屋。

英語が通じる国がいいわね、なんて、気楽に選んでしまったアメリカ女、キャメロン・ディアスは、呆然。

反面、いきなりハリウッドの豪邸、なにもかもオートマティックな豪邸に戸惑うイギリス女、ケイト・ウィンスレットの比較が面白いのです。

 恋愛の方といえば、イギリスの家に行くとケイトの兄、ジュード・ロウが現われ、アメリカの家には、近所の映画作曲家、ジャック・ブラックが現われるという訳。

 キャメロン・ディアスとジュード・ロウは、すぐに恋愛モードになるのですが、ケイト・ウィンスレットの方は、アーサーという老人と出会って、近所つきあいの楽しさを知るうちに・・・という流れです。

 最初に、ものの見事にふられて、こりゃ、キツイわなぁ、とつい思ってしまうのが、イギリスのケイト・ウィンスレットです。

結婚の記事を担当している新聞記者なのですが、目の前で・・・うわっ、キツイ。

ケイト・ウィンスレットは、どちらかというとスリムではなくて、ちょっとぼてっとしていて、それがハラハラドキドキ、ガックリ・・・・そして、ビービーよく泣くんです。美人ではあっても、なんとなく垢抜けない感じが、最後まであって良かったですね。

思い切りが悪くて、ぐじぐじ・・・いじいじ・・・。

キャメロン・ディアスは、ハリウッドの映画の予告編を制作する会社の社長なんですが、だから、近所の人は映画関係の人ばかり。

アーサーという老人も、有名な脚本家であり、ジャック・ブラックは映画音楽の仕事をしているので、映画の話がたくさん出てきます。

 イギリスでは、キャメロン・ディアスとジュード・ロウのいわば、ステレオタイプな恋愛劇をやっていて、アメリカでは、ケイト・ウィンスレットが恋愛というより、人間関係を築いていく・・・というのが目新しいですが、ボーイ・ミーツ・ガールであることには変りはありません。

 138分だれることなく、話は二重になりますが、どちらもクリスマスの時期で、イギリスの寒いクリスマスとハリウッドのプールで泳ぐクリスマス・・・なかなか観ていて楽しいのです。どちらも美しく風景を撮っていますね。

 ジャック・ブラックが、エキセントリックな役が多かったのに今回は、知的な作曲家というのは、とてもいいのです。

それでいて、物まねをしてみせたり、映画のウンチクを面白可笑しく語ってみたり、ピアノをさらさらっとひいてみたり、人付き合いが上手いけれど、恋愛はちょっと下手だ、といういいひと。車の助手席に乗りたい私です。

 ジュード・ロウは嫌味なくらい格好いいですね。キャメロン・ディアスはどちらかというとキャアキャア言うけれど、必殺流し目で黙らせてしまう。セーターからはみだしたシャツまで格好いい。

キャメロン・ディアスは、あの過剰なほどの身振り手振り、くるっとした表情のキャメロン演技相変らずで、どうみても「女社長」「実業家」には見えないけれど、仕事がメインの話ではないから、いいのです。あのアメリカ~ンな身振り手振りは真似したくないですけどね。

ジュード・ロウとジャック・ブラックは、理想の男性像2タイプを演じているのだなぁ、と思ってしまいます。

カッコイイといいひと、これですね。

 でも、どちらにしても、クリスマス休暇は二週間。出合って恋しても・・・その先は?という不安もありますが、映画はそれぞれのハッピーな着地をするところ、観ていて安心恋愛映画。

今まで、あまり気にしていなかったケイト・ウィンスレットのすぐになる涙目とか、ワーワー泣くのが妙に印象に残っています。

ケイト・ウィンスレットが飼っている犬が、また可愛いのです。

 ちょっとまずいな、と思ったのは、映画でなく、日本語字幕。

キャメロン・ディアスが、ジュード・ロウの事を、A good-looking guyと言っているのに、「イケメン」とか・・・せっかく、ハリウッドで豪邸が建てられるほどの力を持つ実業家なのに、とたんに知的とは言えない女の子にどよんと落ちてしまうような字幕の数々。いくら女の子映画だからって出ている俳優さんはある程度、歳をとった社会人という設定で、ティーンエイジャー役ではないのです。勘弁してほしいです。

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