官能小説
2007年2月27日 キネカ大森にて
(2007年:日本:90分:監督 坂牧良太)
「日本のエロス界が放つ、極上の愛欲巨編ついに完成!」
・・・・というのが、この映画のチラシのキャッチコピーなのですが、・・・・極上の愛欲巨編・・・・この言葉を信じて妄想ふくらまし、期待してしまった人、可哀想かなと思います。
逆にわたしは、愛欲巨編はあまり観たくないけれど、観てみたら、テレビドラマ風の社内恋愛のあれこれ・・・でほっとしていましました。
原作は人気少女漫画だそうですが、もう、漫画の世界だけでなく「メガネをとったら、びっくりするほど可愛いまたは美人だった」というオチは、さすがにNGです。何年前の話だ?と思ってしまいます。
しかし、最近の流行は、「わざと可愛い女の子にメガネをかけさせるメガネっ娘」というメガネ娘の応用というもので、この映画の主人公はグラビアではアイドルの大久保麻梨子で、映画の中では、黒縁メガネの口うるさい、無愛想な嫌なOL。
大久保麻梨子という写真集で動かないアイドルを、動かせるのがこの映画のポイントかと。
官能的でない映画になった一番は、会社では営業マン、家では官能小説を書いているという青年(北条隆博)が、ひたすら清潔で、ピュアだからです。
憧れのOL、大久保麻梨子に、妄想をふくらまし、それを官能小説(エロ小説と言われる事にはきっぱりと官能、と言う)に書いているという割には、簡単に素直に何度も「好きです」と正面から言ってしまう。
しかし、気難しい小局さまは、ひねくれている。
小局と陰口たたかれて、嫌われているのをもう、あきらめて開き直っているという表情の大久保麻梨子は、グラビアアイドルと言われなければ、少し個性的な新人女優さんかと思うくらいです。無愛想で媚びがないからですね。
ではその抑圧された無愛想な女が、最後にどっと解放されるのか・・・・というとそこら辺は妙に節度を持って、抑えてしまっています。
大久保麻梨子のメガネはあくまで小道具です。この映画に出てくる会社の様子、家のインテリアなどが、小道具的で、そこがテレビドラマを思い出させるのかな、と。
社内恋愛・・・といっても、出てくるのは「寝たのか、寝ないのか」だけで、寝た=恋愛、という切り口には、いやはや。
メガネをとったら可愛かった・・・という映画の中のシチュエーションよりも、映画の後、ロビーで販売していた大久保麻梨子の写真集にびっくり。
これが別人で、水着や薄着で健康的にニコニコと男性に媚びを売る「一体どこの国の住人だ?」という女の子で、この映画は大久保麻梨子の存在を知っているか、いないか、で全く違った印象になることを実感しました。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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