ハッピー・フィート

ハッピー・フィート

HAPPY FEET

2007年2月26日 新橋ヤクルトホールにて(試写会)

(2006年:オーストラリア=アメリカ:108分:監督 ジョージ・ミラー)

 この試写が始まる前に、「この映画は、今日発表になったアメリカ・アカデミー賞で、長編アニメーション賞を受賞しました」と緊急アナウンスがありました。

 最近、フルCGのアメリカのアニメーションは次々と公開されて、どれがどれだかわからなくなってしまいました状態なのですが、この映画は、ただペンギンが歌を歌うだけ、という随分前の予告編がおもしろかったので、観てみました。

 フランスのドキュメンタリー映画『皇帝ペンギン』を観ていると、映像がとても良く出来ているということがわかります。

冬の間、母ペンギンは遠くまでエサをとりにいき、父ペンギンが卵を暖めるのです。

本当は卵が孵ると、父ペンギンは、「さらば」と自分がエサをとりに去ってしまうのですが、この映画では、ここからとたんにアメリカ~ンな家族ものになります。

ペンギンたちは、歌が上手い・・・はず。しかし、卵から孵ったマンブルというのは、音痴。でも、足が奇妙なステップを踏み、音楽を聴くとどうしても足が動いてしまう。どうしても仲間はずれのマンブルは、皇帝ペンギンの世界から追い出されてしまう・・・。

 この映画がすごいのは、子供にはわからないだろうという、音楽の幅広さ。

アメリカならではのこだわりある選曲というのが、侮れません。もう、音楽映画ですね。

エルビス・プレスリー、アース・ウィンド&ファイアー、フランク・シナトラ、プリンス、スティービー・ワンダーと、大人がおお~って喜ぶ選曲。

最近のアニメは、大人も意識していますから、こういった凝り方は子供や若い人にはわからないこだわりを炸裂させるのです。

 ただ、日本のアニメとアメリカのアニメの違いというのもくっきりしています。

それは「かわいい」の認識の違いです。

この映画のペンギンたちは、妙にリアルで口の中など赤く不気味でかわいい、からはほど遠いかな、と思います。

ちょっと怖いリアリティあり。

字幕版の声の出演はマンブルがイライジャ・ウッド、母、ノーマ・ジーン(→マリリン・モンローの本名)がニコール・キッドマン、父、ヒュー・ジャックマン・・・など豪華です。

マンブルが追放されてからの冒険のスピーディさや、人間による環境破壊を訴える内容もあり、でアニメ技術の高さには感心はしますけれど、あまりにもアメリカ~ンなキャラクターは、アメリカでは受けるかもしれませんが、日本で吹替え版にしたら、ちょっと苦しくなるかもしれない、という全世界のすべての小さなおともだちに贈ります・・・という親切さには欠けていますね。

かわいい子ペンギンの絵だけで小さなお子さんを連れていってしまうと、リアルな迫力の動物たちにヒィーって泣き声あげるかもしれません。 

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更夜飯店

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