龍が如く 劇場版

龍が如く 劇場版

2007年3月7日 銀座シネパトスにて

(2007年:日本:110分:監督 三池崇史)

 三池崇史監督・・・・いや、DEAD OR ALIVE三部作ファンのみなさま!

お待たせ致しました。

DOAファンなら、観なきゃソンだよ、男と男がガチンコ勝負!暑い暑いスクリーンの中で濃い、とっても濃い俳優さんが、次々とガチンコ、ガチンコしますよ!男汁全開!百花繚乱!スクリーンが狭い狭い!大暴れっ!寄ってらっしゃい、みてらっしゃいっ!

 「映画は語るじゃなくて見せるだぜのココロ」・・・これが映画には必要なのでございます。

なんでいきなりこの2人は対決するのか・・・そんなことはどうでもよろしい。

 桐生(北村一輝)と真嶋(岸谷五朗)が、はったとにらみあったらもうガガガガっと対決。それでいいのです。

いきなりのディスカウントショップでの乱闘。理由はあとからついてくる。

とにかく10年ぶりに出所した桐生をねらえ!

とことん強い桐生。

「きりゅうちゃ~ん、どこや~~~」とのたりのたりと野球のバットを肩に桐生を探す真嶋の兄さん。

キリリと眉間に皺よせて、10年ぶりのシャバでいきなりねらわれるけれど、携帯電話の使い方がわからない桐生。

桐生が何故か連れている少女、遙。そしてころころとした柴犬。

 ホストクラブの加藤晴彦。銀行強盗の張り込みをする哀川翔。張り込みする理髪店の大家の田口トモロヲ。刑事の松重豊。情報屋の荒川良々。寡黙なスナイパー、コン・ユ。いきなり出てくる真木蔵人。そんな中をうろちょろこそ泥する若者、塩谷瞬とサエコ。

 暑い神武町(歌舞伎町)からカメラは一歩も出ません。

近未来のようなビル。低空飛行するヘリコプター。

 原作はゲームだそうで、わたしはゲームを知りません。

しかし、原作が何であろうと、映画は映画として独立させて見せる、魅せる・・・そんな魅力でいっぱいです。

桐生役の北村一輝はストイックな役で、逆の怪物めいた「いてはります」の真嶋役の岸谷五朗が、ますます怪物化していくのがとてもうらやましかったそうです。

岸谷五朗も、どうだ、どうだ、やりたいだろう~~~と見せつけるような怪獣演技。エスカレートして倒れても倒れても、ふ~っとふっか~つ。

 ストーリーとか結末とか、この映画は関係なく、とにかくグルーブ感でもって勢いが止まることなく走り続ける110分。

コントにしか思えない描写が絶妙なタイミングではさまれ、役者たちがそれを演じきっている、というのがすごい。

脱力もの、またはマニアックなネタも満載。

合言葉で「キム・ギドク」と言われたら・・・なんと答えますか?

かといって観客を置いていってしまうことはなく、ひきずっていく。その強引さが魅力。美学と笑いに包まれたスポーツ的な暴力。

やるなら、ここまでとことんやって欲しい。

作り込むならここまで作り込んでくれないと・・・・三池監督、ありがとう~とわたしは感謝の気持でいっぱいです。

いや、いいなぁ、この世界。誠に有り難い映画でございました。

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