ゴーストライダー

ゴーストライダー

Ghost Rider

2007年3月14日 日比谷スカラ座にて

(2007年:アメリカ:114分:監督 マーク・スティーヴン・ジョンソン)

 わたしとしては、この映画の一番は、なんといってもニコラス・ケイジ、アメコミヒーロー初出演ってところです。

いや~予告編観たときに、思わず「おおっ」って声に出して驚いてしまいました。

しかも、ライダーなんであります。ゴーストライダーなんであります。地味な予告編でしたけれどね。

 マーベル・コミックスの原作もの、というのは、ヒーローといっても『スパイダーマン』『X-MEN』など、ダークで悩み多き主人公なのであります。特殊な才能を持っているがゆえの悩み・・・そんなものが、ひとつの芯になっています。

 この映画では、あまりそういう「悩み」という部分は少なくて、ケロリとしているのがいいです。

それと、悪魔に魂売り渡す、とかキリスト教の要素が入っていて、贖罪とかね・・・言っているわりには、ぼっと炎のガイコツ、ゴーストライダーに変身したジョニー・ブレイズ(ニコラス・ケイジ)は、周りのものを焼き尽くしながら、火の道を作りながら紅蓮のバイクを走らせる・・・あらまぁ、随分、周りに迷惑かけるヒーローであります。

しかし、悪い奴を見かけるとやっつけずにはいられない、いいひとでもあった。

 そして悪魔(ピーター・フォンダで、出てくるバイクはアメリカンタイプですね)から、自分の息子でありながら世界征服を企む悪い奴、ブラック・ハートをやっつけるよう言い渡されるのですが・・・このブラック・ハートを演じたのが『アメリカン・ビューティ』で印象の強いウェス・ベントリーなんですね。

お供を3人ひきつれて、ロングコートに身を固め、「世界征服」っていうところが、いや~今時「世界征服を企む」なんて、手塚治虫の漫画『バンパイア』みたいでなつかしいですな(古いコミックですけれどね)と思うくらい、単純純粋わかりやすい悪い奴なんです。

 正義の味方なんだか、タチの悪い暴走族なんだかよくわからないゴーストライダーが炎なら、相対する敵は水だったり風だったり・・・香港アクション映画のキャラクターみたい・・・『風雲ストームライダース』とか。風水の精神かな?仏教の精神かな?

 で、いかめしく登場の割には、あららら、あっという間にやられてしまう・・・・ブラック・ハートはジョニーの恋する人、エヴァ・メンデスに目をつける・・・ああああ、このあたりは、もう、ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』あたりのシリーズのマギー・チャン演じる恋人のメイであります。

ジャッキーが、悪者を追いつめるとお決まりのように、メイが人質になり、動くに動けなくなるジャッキー・・・・・・だんだん、もう、メイは邪魔だあ~~~とか思いつつも観ていたジャッキーアクション映画が、ええ、もう走馬燈のようにね、頭の中をかけめぐりました。

 では、この映画、印象悪いかというととっても不思議ないい感じなのです。

ニコラス・ケイジは特別力んで役をやっているように見えないけれど、ヘンにアメリカの正義をふりかざすような雰囲気が全くなく、ケロリ、コロン、バババ~~~ってなかなか、キレイな特撮をちまちま~~~っとやっていて、観ながら、気軽で気楽で楽しいなぁ、キレイだなぁ、ビル登ったり降りたりできるんだ、このバイク・・・などと感心して、心温まる気分になるのです。

変にダークに憂鬱にしないで、荒唐無稽だけれども、ほのぼのと笑えるシーン、火の道作るスーパーなバイクや、刑務所入れられても、悪い奴の魂に反応してボッとゴーストライダーに変身すると、スプリンクラーから水がシャー・・・・サム・エリオットとの対決の場へ向かう時の馬とバイクの道連れとか・・・力の抜き具合がとても好きです。なんだかんだいって、わたしはこの映画を楽しむことができました。

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