ナイト ミュージアム
Night at the Museum
2007年3月27日 日比谷スカラ座にて
(2006年:アメリカ:108分:監督 ショーン・レヴィ)
わたしは博物館が好きですね。
博物館という空間が子供のころから好きなので、今でも国立科学博物館なんて行くと喜んでしまいます。
もともと博物館というのは、勉強のためにあるような場所なので、そこの展示物が夜になると動き出す、というこのメインのアイディアが楽しめるかどうかは、主役のベン・スティーラーが好きかどうか以前に、博物館に愛着があるか、ないか・・・なのだと思います。
この映画、素人レビューでは酷評が多くて・・・内容読むと、けなしている人は映画以前に博物館に興味がないから、「つまらない」「笑えない」と書いているだけ、という気がしました。無理矢理、娯楽映画なのにお勉強させられちゃってむくれているこどもみたいですね・・。
話は少しずれますが、中国について漢詩の石川忠久先生は、「歴史に全く興味のない人にとっては中国はどこにいっても貧しくて、汚い国なんです。歴史に興味ある人には、どこにいっても感動の国です」と言われています。
中国を博物館、に置き換えてみましょう。
国立自然史博物館の夜警の仕事についた駄目男、ラリー。ところが夜警についてみると・・・・骨だけのティラノザウルスが冷水器で水飲んでいるわ、ルーズベルト大統領の蝋人形が馬に乗って走り回るわ、アフリカの動物たちの剥製が襲ってくるわ、サルは憎たらしくて悪戯するわ・・・・で、大騒ぎ。
しかし、離婚した母の元にいる息子に父としてのいいところを見せたいあまりに、夜警の仕事を続ける・・・・夜になるともう大騒ぎっていうのが、アメリカの歴史のお勉強のようになっており、その騒ぎを静めるためには「アメリカの歴史を勉強し直すこと」なんてことになり・・・エジプトのファラオの金の板が、どうもこの不思議な現象のカギを握っているらしい・・・そこら辺はちょっと曖昧なのですが、とにかくフン族アッティラ王は凶暴だし、西部開拓とローマ帝国のミニュチュアたちは喧嘩をはじめるし、どう、おさめる?というのがとても楽しかったです。
ファラオは何故か英語が話せて「ケンブリッジ大学に置かれていたから」という理由だけ、とか脱力もののエピソードもあるし、ベン・スティーラーらしいドタバタぶりというのも楽しい。
オーウェン・ウィルソンがノンクレジットで、妙に活躍したりします。
父と息子の関係回復映画でもあり、SFXファンタジーであり、ファミリー映画ではありますが、遊び心が随所に見られていいですね。
わたしが一番好きな展示物は、話にはからまないけれど、中国の大きな翡翠の獅子なんですね。
わあわあ、大騒ぎしている後をもちもちっと歩いているのをわたしは見逃さない!
最後に大団円になって、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの音楽にあわせてパーティみたいになるところは至福感にあふれていて好きです。
博物館もそういう目で観ると面白いんだよ、というちょっとお勉強的なメッセージもありますが、親子の関係にしても、押しつけがましさのさじ加減が上手いと思います。製作の1人がクリス・コロンバスだ、というのは納得。
アメリカの歴史を知っているともっと面白いのでしょうが、全体を貫く「博物館の空気」が好きですね。
ちなみに職業安定所でベン・スティーラーに博物館の夜警の仕事をくれる女性は、ベン・スティーラーのお母さん。
『ズーランダー』では、ズーランダー(ベン・スティーラー)に生卵ぶつけてた、あの女の人です。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
0コメント