プロジェクトBB

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Rob-B-Hood

2007年4月29日 シネマート六本木にて

(2006年:香港:126分:監督 ベニー・チャン)

 香港映画には、もう「ジャッキー映画」という他に比べようのない、ひとつのジャンルがあるのです。

大きな特徴は、アクションよりも「人情味」だと思うのですね。

人情味をとても大事にする、おめでたい映画。

日本では、寅さんがなくなってしまったので、そのかわりお正月映画として必ず「ジャッキー映画」をやる、というのはどうでしょう。

理由理屈なく楽しめる人情話がジャッキーのお得意とするところです。

 この映画のアクション監督はもちろんジャッキーなのですが、大技ドニー・イェンに比べ、小技の連続ジャッキー・チェン。

小技だからって、手を抜いたりしないアイディア満載、実はとても大変なことを計算尽くでやっている、という贅沢な映画です。

前作『香港国際警察』で、いや~ありがたい、贅沢な映画だなぁ~と思ったら、終わった時に隣の男の人が連れの女の人に「ま、こんなもんでしょ」と言ったのに、「なんだとお~~この高度な計算、技、技術、努力が、’こんなもん’とはなんだっ!!!」と今時のすれっからし共にぷんすかしたのを思い出します。

ジャッキーの映画は、もう高度で当たり前、になっている、という大変なプレッシャーがあるのです。

他の人では出来ないことを軽々とやってみせてきた、ジャッキー。だからこそ、それが当たり前になってしまった観客は贅沢になる。

偉いな、ジャッキーって。

 この映画の話題は、マイケル・ホイやユン・ピョウが、久々にジャッキーと共演という事なのですが、マイケル・ホイって意外と変わっていませんでした。

よく歳とったなぁ、ってしみじみしてしまう人いますけれど、マイケル・ホイはあまりそんな時間の差が感じられません。

今回、ジャッキーの相棒となるのはルイス・クー。

サンダル(ジャッキー)とフリーパス(ルイス・クー)と大家(マイケル・ホイ)は3人組の泥棒。

「盗みはするけど非道はせず」をモットーに泥棒して、金が入れば、サンダルは賭け事に、フリーパスは女に・・・って散財しちゃう。

ひとり、こつこつと貯蓄しているのは、大家さんだけ。

 しかし、3000万ドルの価値のある赤ちゃんを誘拐・・・という事になって、赤ちゃんに振り回されるサンダルとフリーパス。

そしてかわいい赤ちゃんに振り回されながらも、情が移ってしまう・・・というところ、ジャッキーのいいひとぶりというイメージは損なわないようになっています。

 冒頭のトイレの個室を飛び越えて逃げ回るところから、ルイス・クーと一緒になって建物に忍び込む時の段取りから・・・細かい技の連続。相手の上着をくるんとアクションしながらひっくりかえす、というのはもうジャッキー専売特許アクションです。

 妙に日焼けした顔に白い歯がまぶしい浮気男ルイス・クーがいつの間には「ママ役」になってしまうあたりの面白さ、マイケル・ホイと奥さんのしみじみとした夫婦愛(?)、ジャッキーのエアコン室外機垂直飛び石ジャンプ・・・の長まわし・・・びっしりと面白さ満載で、余計な隙間がないのですね。

すべてが計算されていて、作り上げられた世界。しかも特撮は使わず、体をはったアクションで勝負する潔さ。

また女優さんを上手く使う、ということも忘れず、シャーリーン・チョイの可愛らしさも見所。

 嬉しかったのは、ジャッキー一家とも言える若手のニコラス・ツェー、ダニエル・ウー、テレンス・イン(ジェネックス・コップ組)がカメオで出てきた所です。笑ってしまいました。

カメオでちょっとしか出てこないのに妙に嬉しそうなニコラスとダニエル。

 やはりお正月映画にはジャッキー映画をやってほしいですね。 

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