地球交響曲 ガイア・シンフォニー第六番

地球交響曲 ガイア・シンフォニー第六番 

GAIA SYMPHONY NO.6

2007年6月2日 恵比寿・東京都写真美術館ホールにて

(2006年:日本:127分:監督 龍村仁)

 この地球交響曲シリーズ、やっと六番目を観ました。

壮大なプロジェクト映画ですね。

地球、というものをあらゆる面からとらえようという、何をどう撮るのでしょうか?ってな限界に挑戦しているドキュメンタリーシリーズです。

今回のテーマは「音」

 音といっても音楽だけではありません。

クローズアップされる3人は、インドのシタール奏者、レヴィ・シャンカール、アメリカのピアニスト、ケリー・ヨスト、クジラの音楽を研究する海洋学者、ロジャー・ペインなのですが、その間にはさまれる「虚空の音」として4人の日本人が紹介されます。

 とても写真的な風景が続くのとインタビューが続くので、つい、集中力がとぎれてしまったりするのですが、映像は美しく、その音は映画館ならではの、音。

特に虚空の音は、虚空とはなんだろう・・・から始まる禅問答のようなものなので、基本的には「静寂の中に聞こえるなにか」です。

だから、耳を澄まさないと聞こえない・・・そんな自然界にある音を拾っていくようなところが興味深いです。

 ドキュメンタリーは、こんな世界がっ、という驚きがあるのですが、特にシタールという楽器については驚くことばかりでした。

シタールには楽譜がなくて、師匠が、♪じゃららら~~~ん、たらん♪と口にした音楽をその場で、シタールで弾いて、覚えていくのです。

そこから、師匠とは、インド哲学、宗教とは・・といった話に展開するのですが、なんとなく、昔のヒッピーなどがインドに傾倒したのがわかるような。

このレヴィ・シャンカールという人は、ビートルズのジョージ・ハリスンのシタールの師匠です。

 わたしは、外国の自然の風景と日本の風景の色の違いに驚きました。

ケリー・ヨストというピアニストは、アイダホの自然の中でひっそりと活動を続ける、「コンサートを開かないピアニスト」ですが、アメリカのアイダホの自然と、虚空の音で出てくる日本の各地の自然の色合いが、全く違うのです。

自然の色合いが違えば、何故かそこで出来上がる音楽も違ってくるという不思議。それはインドでも同じ事です。

 これだけ撮る対象が大きいと取材が大変だろうなぁ、と想像しますが、何をどこまで、がないのがこのドキュメンタリー映画シリーズの宿命のような気がします。 

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