女帝 [エンペラー]

女帝 [エンペラー]

Ye yan/THE BANQUET

2007年6月20日 有楽座にて

(2006年:中国=香港:131分:監督 フォン・シャオガン)

 『初恋のきた道』で、デビューしたチャン・ツィイーは、破竹の勢いで登りつめている・・・という感がありますが、とうとう女帝の役を。

美しさや演技だけでなく、歌も踊りもアクションもなにもかも出来るその才能花ひらいちゃっていますね。

もう、この映画ではひたすらチャン・ツィイーの大女優感が、これでもか、という押しの強い映画です。

中国映画は貧乏くさくて・・・なんてもう言わせないわっ!映画。

 ベースにあるのはシェイクスピアのハムレットなのだそうですが、要素を取り入れているというだけで、忠実な映画化ではありません。

古代中国の五代十国時代・・・・戦乱の世の中です。

王は暗殺に次ぐ、暗殺・・・・殺して王の座についても、また狙われて・・・の繰り返し。

そんな中で、したたかにいきのびる王妃ワン。

実は先王の息子・・・義理の息子の皇太子、ウールアンに密かに恋心を・・・しかし、女帝として頂点を極めていくワン。

 もう、これでもか、とチャン・ツィイーちゃんが見られます。

したたかさ、という点では、『MUSA 武士』の時の将軍の娘の方が、よっぽど高慢な姫だったと思うのですが、栄華をつくした生活のあれこれの美術が凄い。

お風呂なんて、プールみたいなところに一面に花びらが浮かべられている。プールではなくあくまでもお風呂なんであります。

皇太子、ウールアンが「顔面偏差値の高い」ダニエル・ウーが演じていて、先王の息子ということで、命を狙われますが、隠遁生活を余儀なくさせられていますが、歌と音楽が得意な戦国時代の王にはふさわしくない優雅な皇太子。

この皇太子の隠遁のお屋敷の美術がまた凝っています。

白い竹で編んだ巨大なスロープのある、迷宮美術館のような造形の建物が美しい。

そして、アクションはユエン・ウーピン。

 アクションはスローモーションを多用していますが、美学が感じられて、その分リアリティは薄くなるものの、美しい悲劇にふさわしい品格を感じました。

話や登場人物は、王宮の中だけに限られていて、民の姿というのは一切出てきません。

あくまでも、身分の高い人々の「宮の中での策略」に徹しています。

 もうここまで、主演はってみせるチャン・ツィイー、怖いものなし。

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