舞妓Haaaan!!!
2007年7月1日 日劇にて
(2007年:日本:120分:監督 水田伸生)
この映画のタイトルの’a’の数は、4つです。舞妓Haaaan!!!です。(数えちゃいましたよ)
この映画は、わたしの感想だと、宮藤宮九郎脚本による、スポ根もの。
スポーツで勝負に勝つ!がクライマックスになるように、この映画では、目標は「お茶屋で舞妓はんと野球拳をする!」という・・・その為に奔走する舞妓マニア・・・・とそれに立ちはだかるライバルの存在。そしてそれを見守る人々の話。
もう全編、舞妓はんファン、マニア、おたくの阿部サダヲが、高いテンションキープして暴走しまくります。
だからこの映画の展開は早い、早い。特に後半、とんでもない展開にヒートアップしても、とにかくサダヲちゃんの暴走はとどまることを知らない。ブリーフ一枚になっても、サダヲちゃんのテンションは下がらない。温度の高い人だなあ。
完全に、全編ハイテンションの『木更津キャッツアイ』の世界なんです。
修学旅行の時、自由行動・・・七班からはぐれてしまった高校生、鬼塚公彦。「ななは~ん、ななは~ん、どこ~~~?」と泣き泣き走り回っている時に、「ぼん、どうしなはったん?」と声をかけてくれた舞妓さん。
食品メーカーの社員になっても、舞妓はん追っかけに奔走し、舞妓はんホームページを作って悦にいっている所に、荒しの書き込み。
「舞妓はん・・・とか言っても、お座敷遊び、したことないんだろう。ふん、それじゃ~ねぇ~~~ふん」
確かに、舞妓はんを追っかけていても、お座敷遊びをしたことがない、鬼塚公彦。
そんなときに、京都支社への転勤がっ!
もう、恋人(柴咲コウ)も何もかもすてて「舞妓は~~~~~~~~ん」と、京都に喜んで駆けつける鬼塚公彦。
やっと、やっと・・・お座敷遊びができる・・・と無理して行っても・・・・そこは「いちげんさん、お断り」の世界。
ここでめげる鬼塚ではなく、とにかく「お座敷で舞妓はんと野球拳」を目標に仕事をばりばりこなす・・・・社長に認められれば、数字を出せば・・・社長(伊東四郎)の紹介で、お座敷にっ!!!!!
そこで出合ったのが、金持のプロ野球選手の内藤貴一郎(堤真一)。楽しくお座敷を堪能したい、という鬼塚の世界をぶちこわすお座敷荒しの登場。宿命のライバルの登場です。
そして話はますます、スピードアップしていく。
阿部サダヲのハイテンション演技というのも、見所ですが、ライバルとなる堤真一の百変化演技も見所です。
いつもいつも内藤に先を越される悔しさに、意地になって暴走する男。
だんだん、一舞妓ファンというより、目標を失って、意地だけ残ってしまった男になってしまったことに気付かない。
映画のテンポは早くても、だんだん、目標の軸がずれていくという事を、丁寧に描いています。
好きで好きで好きでしょうがないこと、を持っている人を「おたく」という一言で片づけるそんな世界への密かな反旗を翻していますね。
鬼塚も京都で色々な経験をしていくうちに、あれ、最初の僕の目標は?とはた、と気がつくのです。
自分が好きなもののためには、周りの人に迷惑をかけ、傷つけてもそれでいいのか?ということにも気付く。
好きなもの、夢中になれるものを持っている者はしあわせです。
しかし、そのしあわせはひとりだけのものにしていいのか?そんなことも、照れながらも、さらりと織り交ぜてみせるところが、この映画の上手いところなんです。
笑いながら、呆れながら、観ていても、ただのうわっつらだけの笑いには終わらせない。
そんな所がとても好きな映画です。
一番、笑ったのは、カメオ的登場の北村一輝と山田孝夫でした。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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