ゴースト・ハウス

ゴースト・ハウス

The Messengers

2007年7月28日 有楽町 スバル座にて

(2007年:アメリカ:90分:監督 オキサイド・パン、ダニー・パン)

 パン兄弟が、アメリカ、ハリウッドに呼ばれて作ったアメリカ仕様ホラー映画。

公開第一週で興行成績一位・・・などと聞いていたので、よしよし。

 この映画はよくある家にとりついた霊におびえる一家、というものなのですが、さすがパン兄弟、ホラーの中にも色々な要素を混ぜて、見所もきっちり押えています、という感じです。

妙に安心してしまう、わたし。

 訳あって、田舎の一軒家を買って、ヒマワリ畑を作ってやり直そうという家族の話でもあります。

ティーンエイジャーのジェス(クリスティン・スチュワート)は、事故を起こして家族は、ぎくしゃくしています。

幼い弟は、そのせいで、言葉が出てこないという状態。

なんとかやり直そうと、明るく振る舞おうとする両親、幼い弟・・・そんな中で息苦しくてたまらないジェス。

 幽霊屋敷のような家なのですが、本当に霊が出てしまうのでした。

見せ方上手いですよね。前の住人たちに何があったのか・・・・をぱぱぱぱと手際よく、かつ、意味深に残しておいて、ジェスたちにふりかかる災難。

 しかし、霊といっても、幼い弟は全くこわがってなくて、霊?の方も、遊んであげちゃったりして・・・

ジェスが憂鬱なのは、「いくら言葉では親しくしても、両親は気持では絶対に許してくれない」という絶望感にいつもさいなまれているから。

そんなネガティブな感情に反応するかのように、最初はジェスと弟にしか不思議な現象は見えない。

だんだん、だんだん・・・・じわじわと・・・・。

 絶叫タイプのヒロインではなく、『リサイクル』でアンジェリカ・リーが演じたヒロインのように、戸惑い、ひるむけれど、ジェスは、スクリーーーーーームはしないのです。

むしろ、霊に対しては毅然としています。

 最初は、全然話を信じてくれない・・・昔のことをすぐ持ち出しそうになる両親とますます深まる溝の方が、よっぽどしんどくて「怖い」ことかなあ、と思います。

クリスティン・スチュワートのうんざり、あきらめ、失望、がっかり、憂鬱な表情がとても表現豊かです。ただのかわいこちゃん、でない鬱屈したものを持つ女の子。

 閉塞的な家の中に比べ、ヒマワリ畑は成功して、家の周りは明るいヒマワリ畑。

(カナダでオールロケをしたらしい、妙な開放感)

 不思議な現象を決して、宗教がらみにしなかったところ、外の明るさと家の中の暗さの対比のさせ方、怖いというよりいつも感心してしまうパン兄弟のホラー映画です。 

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