マグナム・フォト 世界を変える写真家たち

マグナム・フォト 世界を変える写真家たち

MAGNUM PHOTOS The Changing of a Myth

2007年12月27日 東京都写真美術館ホールにて

(1999年:ドイツ:89分:監督 ライナー・ホルツマー)

 随分昔にマグナムの写真展に行きました。衝撃的な写真に圧倒されました。

報道写真家集団、マグナム。

マグナムに入れた、ということは、世界で認められたカメラマンである、ということに値します。

 もともとは、カメラマンの写真の版権は、出版社や新聞社ではなく、カメラマン自身にある、ということを目標にしてロバート・キャパやアンリ=カルティエ・ブレッソンなどが立ち上げた集団がマグナムです。

 しかし、このドキュメンタリー映画では、新しいマグナムのカメラマンたちを取材しています。

そして、どうやって、マグナムの会員資格を得ることができるのか・・・その総会にもカメラが初めて入ったそうです。

 戦争や飢餓、世界の社会的な一瞬を切り取るだけが、写真家なのか?マグナムはそれだけなのか?若いカメラマンたちは、疑問を感じ始めています。

 20歳という最年少でマグナム会員になったカメラマンのその後のプレッシャー。

社会的なものより、日常生活を被写体にするカメラマンをマグナムに入れるかどうかの賛否両論。

若いカメラマンたちに対する、ベテランカメラマンたちの不満。

そんなものがどんどんぶつけられていく。

 写真がふんだんに紹介されるのではなく、取材風景だったり、総会の様子だったり、インタビューだったりしますので、マグナムというものを全く知らないとちょっとつらいものがあります。

 カメラマンもいろいろです。

危ないところに飛び込んでいく・・・というイメージを覆すように、市場の店先を街の人に声をかけて世間話をしながら写真をとっていくカメラマン。

ひたすら疑問をなげつける若いカメラマン。

 驚いたのは、マグナム会員選考にあたっては、応募写真は「モノクロであること」が条件なんですね。

カラーではなく、モノクロで、判断し、投票していく。

写真の基本はモノクロにあるんだ・・・・とカラーになれてしまった自分はとても驚きました。

 写真に関しては素人なので、専門的なことは言えないけれど、皆それぞれ、個性と誇りを持っている、その志の高さにも驚く映画です。

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更夜飯店

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