Little DJ 小さな恋の物語

Little DJ 小さな恋の物語

2008年1月3日 シネスイッチ銀座にて

(2007年:日本:128分:監督 永田琴)

 とても素直な一本。

難病もの・・・でもあるのですが、難病もののお約束をきっちり守っているというか・・・安心して観ていられるといいますか。『世界の中心で、愛をさけぶ』の男女を入れ替えたようなね・・・病気も同じだし。

 1977年の函館が舞台となりますが、ほとんどが病院の中です。

それを128分、もたせたところはすごいと思いますね。

 わたしはちょうどこの主人公たちと同じ年代なので、ラジオ番組が好きで、かかる音楽がなつかしの音楽のオンパレードです。

個人的には、中学生がサディスティックミカバンドの『タイムマシンにお願い』を病院の院内放送を、音楽番組としてDJをやらせてもらう・・・のに選曲するのに、驚きました。

まぁ、フィンガー・ファイブとか、キャンディーズなんていうのは、テレビでもおなじみだったのですが、サディスティックミカバンドってところが、ラジオっ子というかFMっ子だなぁ・・・と。

 昔を描くときに、当時のヒット曲を多用するのは、お約束でもあり、言い方かえれば安直かもしれません。

『檸檬のころ』は、そこのところ、ヒット曲を全く出さないで時代をぼかす・・・という技を使っていましたが、この映画はなんともすんなりしています。

 主役の神木隆之介くんは、さすが名子役・・・どんな役もきちんとこなしますが、やはり優等生的な男の子。

病院で同室になるのが、光石研、松重豊・・・で、なかなか個性ある脇ですね。

松重豊さんは、ちょっと怖いおじさん・・・ですが、入院してきた女の子が好きになった神木くんに「好きなら好きって言ってしまえ。男は好きになった女を一生忘れられないものなんだ」って言いますが、松重さんが言うからこそ、出る説得力。さすがですね。

でも、なかなか・・・言い出せないのも男の子ならでは。

 忘れられないものを残していなくなってしまった男の子、年下の男の子。

なんともセンチメンタルですが、素直なセンチメンタルです。

びっくりしたのは、2人がこっそり病院を抜け出して観に行く映画が『ラスト・コンサート』

このテーマ曲って、名曲ですね。

わたしは、FMで毎週土曜日にオンエアされる映画音楽の番組をテープにとっていつも聞いていましたが、その中でよく覚えていたのが『ラスト・コンサート』

ここは、ちょっと、う。って胸に迫るものがありましたね。あの頃わたしはとっても素直に素直な映画を観ていたなぁと思った瞬間です。 

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