次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港

次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港

2008年1月12日 東京国立近代美術館フィルムセンターにて(生誕百年 映画監督 マキノ雅広(1)

(1953年:日本:80分:監督 マキノ雅弘)

 このシリーズは、第一部が1952年、第九部が1954年に公開されています。ってことは、2年間で9作作ってしまったという・・・今でいうテレビドラマなのかもしれません。しかし、一本一本それぞれ見ごたえある映画だ、ということに驚くわけです。

スター・ウォーズなんか、全6作完結するのに、28年もかかっているのです。当時の映画の早撮りというのにびっくりするわけです。

それでいて、単調でなく、映画のムードが、いろいろなんですね。

この第四部はタイトルからわかるように、次郎長一家が清水港(これを’しみずこう’と言ったら、’しみずみなと’、と言いなさい、と言われました)に勢揃いする・・・という。

 雰囲気が色々変わるのは、おめでたい風景をばんばんやるかと思うと、旅で追われて追われて・・・あまりの逆境に皆、号泣しまくり・・・という実に重い空気の時もあって、この第四部は、清水港で、次郎長一家が新しい家を作るところからで、皆、楽しそうにイキイキとしています。

 ここらへんの引っ越しの様子なんていうのは、道具のひとつひとつがとても面白いというか興味深いのですが、よく出てくるのが障子張り・・・ですね。

 その時、お祝の鯛を探しに行った時出会った博打好きの漁師、豚松が加東大介です。

どうしても、次郎長一家に加えてほしい・・・・と魚を差し入れたりするのですが、暴れん坊なやつ。

でも、次郎長一家というのは、いわゆるやくざ、博打打ちなので、次郎長親分はカタギの人間は入れない・・・と言い張る。

 ここで石松と三五郎が清水に戻って、三五郎は次郎長親分の子分にすんなりなれるのですが・・・。

石松と三五郎は、途中で行き倒れになっている相撲取り・・・久六を一緒に連れて返り・・・ここで一番、清水で相撲興行をうってみたら?ということになります。

 久六というのが後々のキーパーソンになりますが、ここでは立派な相撲取り。

相撲の呼び込みで三五郎が、口からでまかせで「力士と取り組んで勝ったやつには十両!」なんて言ってしまったことから、はりきる、豚松。

久六と豚松の取り組みのあたりなんかもとても面白いのですが、はずみで勝ってしまうけれど、三五郎は木戸銭持って雲隠れ・・・。

次郎長親分のところにどなりこみに行く豚松っていうのが、相撲の取り組みと同じくらい迫力というか・・・でも、暴れてわあわあ言うと許嫁のお静という娘が来て・・・「え~~ん、え~~~ん、ばかっばかぁ~~」と泣いてしまうと騒ぎがピタリと静まってしまう。

次郎長親分も「昼間っから娘さんを泣かすんじゃねえよ」と苦笑い。

 さて、豚松はどうなる・・・?雲隠れした三五郎は?というわけであります。

 この第四部はなにかとお祭り騒ぎというのが、にぎやかなのですが、しつこく三五郎を追ってくるやくざたちと、石松、三五郎がチャンバラをするのは、広いところではなくて森の中・・・なんですね。

結構、チャンバラって刀とか振り回すから、広いところの方がやりやすいのでしょうが、三五郎は意図してか、森に逃げ込んでのチャンバラ。ここの殺陣って見事ですよね。

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