長谷川・ロッパの家光と彦座
2008年1月25日 東京国立近代美術館フィルムセンターにて(生誕百年 映画監督 マキノ雅広(1)
(1941年:日本:88分(短縮版):監督 マキノ正博)
この映画は、徳川三代将軍・家光(長谷川一夫)と大久保彦左衛門(古川緑波)という「えらい人々」の映画です。
短縮版・・・ということで、完全版はないのかなぁ、と思いますが、それでもただただ権力の人たち・・・を描くわけではありませんでした。
大久保彦左衛門(彦左)のおかげで三代将軍になった家光。
映画では、名君・・・ということになっていて、昔は発言力があったけれど、名君がいる今は、実質引退状態・・・の彦左。
子供のころから、彦左、彦左・・・と慕っていて、彦左も「わこ(若子)」と親子ではないけれど、親子よりも親密な関係・・・。
名君が名君すぎるから彦左の出番がないのですよ・・・と言われて、ちょっとボケてみたりする家光です。
最初は、また、拙者の出番が・・・と張り切る彦左ですが、「彦左を思ってわざと・・・なんだよな・・・」と耳にしてしまい・・・「もう、若子ったら・・・ぷぷぷ」
しかし、日光へ詣でた帰り、家光に反乱が起きてしまいますが、彦左は・・・・ひとり「もう、若子ったら、冗談がすぎまするぅ~~~~~、ぷぷぷ」
周りは大変な緊張が続く中で、彦左ひとりが、「気がついていない」
家光を演じた長谷川一夫のおっとりとしたような気品のある将軍ぶりもきれいなのですが、古川緑波の彦左の台詞の合間の「あ~」とか「う~」って言う絶妙な語り方が印象的でした。
なんとも、あ~う~って可愛げがあって、そしてどたどた、せかせかとと外股で歩く姿。
他の映画でも感心してしまうのですが、マキノ監督の映画で、足袋の足の裏が「汚れている」のですね。
それがえらい人であっても、真白な足袋ではなくてちら、と見える足の裏が汚れている・・・あくまでも、お互いを思い合う忠義という映画であっても、話だけでなく、昔の時代劇って凄いんだなぁ、と思います。
日光に詣でるときのお連れが、えんえんえん・・・と遠くまでいる風景など、ああ、将軍様だったらもう、これだけの人連れて歩くんだよね・・・と納得。
爆弾を仕掛けました・・・というまさに爆弾発言に、冷静な家光と、勘違いしている彦左。
これは、宇都宮釣天井事件というのだそうで、有名な話なのでしょうが、無知なわたしはひとり、びっくりです。
ええ~~どうなる、というのと、家光と彦左の「忠義の関係」って・・・とてもうまく絡み合っていて、最後はしみじみ泣けてきますね。
更夜飯店
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