月形半平太

月形半平太

2008年2月3日 東京国立近代美術館フィルムセンターにて(生誕百年 映画監督 マキノ雅広(1)

(1961年:日本:89分:監督 マキノ雅弘)

 聞いたことはあるけれども、知らない古典、その2・・・です。

「月さま、雨が・・」「春雨じゃ、濡れていこう」という台詞が有名なんですね。

 映画始って、あ、まずい・・・と思ったのは、幕末ものだったということです。

わたしは、幕末ものに弱い。薩摩とか長州だとか・・・薩長同盟だとか・・・新撰組だとか・・・こういうのは歴史の勉強ではなく、講談とか、映画とか、物語で子供のころから親しんでいる人にはかなわないのです。

 この映画では、勤皇派として薩長同盟に苦心する・・・月形半平太が大川橋蔵。

本当にいたのかどうかはわかりませんが、美剣士ながら、線の太い、男らしい役でした。

着流し姿がバッチリきまっております。

どうも次郎長ものなどに比べると、幕末ものは、出てくる人が血気盛んで、力んでいて・・・というなかで飄々としているような・・・でも、重要な役割もきちんとできるような・・・月さまです。

大川橋蔵は、お人形さんのようではなく、眉は太くキリリとしていて、くっきりとした顔立ちで、昔の少年漫画の主人公のよう。

リングにかけろ!の帝王剣崎(って知っている人いるんでしょうか)みたいですね。

幼いような顔立ちでもあるのですが、どこか大人の影がある、という。

 春雨のシーンもあるのですが、この映画では「たかが、春雨」とさらり、と流していました。

脇役で、見回り組の若い者として里見浩太郎(背の高い美青年ですね)、新撰組として、これまた若い平幹二郎。

 政治の話がどうとか言うよりも馴染みの芸者とのやりとりなどに重きをおいていて、芸者が丘さとみ。

月さま、月さま・・・・ともう芸者に大人気ですが、それが全く嫌味でもなんでもなく、すらり・・・と流せるいなせな感じがとてもよかったですね。

 しかし、幕末の時代・・・今日の味方は明日の敵。裏切りがあり策略があり・・・それに堂々と対して散ってしまうという、一種の悲劇のカタルシスみたいな後味ありますね。 

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