次郎長三国志 次郎長初長旅

次郎長三国志 次郎長初長旅

2008年2月5日 東京国立近代美術館フィルムセンターにて(生誕百年 映画監督 マキノ雅広(1)

(1952年:日本:83分:監督 マキノ雅弘)

 さて、前回の喧嘩仲裁をしたものの、喧嘩の後始末のために、次郎長一家初めて、草鞋をはく・・・・前に、大熊の親分の妹、お蝶(若山セツ子)と婚礼をあげる次郎長。

最初は大酒飲みだったのに、きっぱりと酒をやめる親分です。

 まだまだ、名前を知られていないから、どこかの親分の家にすぐ泊めてもらうわけにはいかない苦労をする一家。

途中で、増川仙右衛門(石井一雄)とおきね・・・という若者を拾う。

まだまだ若くて生意気な仙右衛門のせいでとんでもないことになってしまうのですが、後に子分に仲間いり。

 やっと昔なじみの沼津の佐太郎のやっている飯屋に落ち着くのですが、佐太郎は大の博打好き。

飯屋はぼろぼろつぶれんばかり。

しかし女房のお徳は一見、気が強そうなのですが、次郎長一家を自分の着物を質に入れてまで・・・酒を肴を買おうとする。ダメダメ亭主にしっかりものの女房っていうある図式がありますよね。

 ここで一家はなんとなく居心地悪くて、酒は少しでも、ほら歌え、歌え、歌え!!!!!とやけくそになって「酔った振り」をしますが、限度があって歌のろれつがまわらなくなっても・・・はらひれほれ・・・・と歌う子分たち。

よく歌を歌う一家ですけどね、歌の使い方がうまいですよね。

 しかも佐太郎は仙右衛門にそそのかされて、博打で一家全員の着物まですられてしまう。

もう・・・・・・着るものなくて裸にさらし姿に笠で旅立つ一家ってすごい絵でした。

一家がそろって走るときは、「わっしょい、わっしょい、わっしょい!」と言いながら走るのですが、こういうところが、なんとも殺伐としていない、のどかな映画としての快楽を感じます。

 勘当された仙右衛門の親の元へ許しの仲裁に行く一家。

なんか次郎長親分、仲裁ばかりするんですけど・・・・でも、喧嘩するより仲裁する方が難しいんだなぁ、と思います。

ここも、お人柄・・・・で、仙右衛門を預かる・・・ということに。

 そして、いいがかりで巻き込まれた喧嘩。

そこにふらり、、、、、と現れるのが、遠州森の石松(森繁久彌)。ただし、ただ、見ているだけで、何もしない石松。

法印大五郎とは正反対。

 なんとなく気に食わない一家ですが、石松はどもりがち・・・・あれあれ?って思うと、すらすらと仁義を切る。

でも、またつまづいて、「どうした」「どうした」・・・と石松、額をぴしゃり!と手でたたいて「粋なやくざでござんす」

なんと映画はここで終わってしまいますね。

石松は、別に活躍するところを見せずに、ユーモラスな仁義で、仲間入り・・・って切れのよさ。

まぁ、素晴らしい。そして、次は第三部、石松大活躍につながるのでした~~~~~ぱちぱちぱち。

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