九ちゃん刀を抜いて

九ちゃん刀を抜いて

2008年2月9日 東京国立近代美術館フィルムセンターにて(生誕百年 映画監督 マキノ雅広(1)

(1963年:日本:88分:監督 マキノ雅弘)

 オールカラー、オールセットでの当時人気スターだった坂本九のミュージカル時代劇コメディ。

もう、なんでもあり・・・みたいな、つっこみどころ満載の楽しさがあります。

音楽は中村八大で、永六輔なんかも参加していますね。

 起き上がるのもめんどくさいものぐさ若者・・・三五郎(坂本九)

父と母が・・・相談して、せめて食い扶ちを減らしてくれ・・・侠客になれば、いい・・・なんて、あ、なんだかとっても軽いノリで侠客をめざす九ちゃん。

 やくざの東千代之介と出会って、愛嬌のある奴だと気に入られ・・・侠客だったら花魁遊びでもしなければ・・・と行ったら、一番の花魁、高窓太夫(南田洋子)にも、すぐ気に入られ・・・・

と書くと、なんだかとんとん拍子ですけれど、橋というのが出てきて、橋のシーンになるとやたら落ちる九ちゃん。

川に落ちて、水の中、泳ぎながら歌うのが「上を向いて歩こう」だったりするところ、脱力ユーモアあり。

 わたしが気にいったのは、東千代之介さんですね。

なんだか、メイク過剰で奴さんの格好なんかして、ぶいぶいいってます。

水野という旗本が、妙に威張っていて、気に入らない一家。何かと対決するけれど、冬の寒さの中での我慢大会でさらしに裸で不忍池に入っていたり(その時のさらしが、千代之介さんだけ真っ赤)、旗本がいばって、「どけっ、どけぃ!」と言うのに「どかないよ、ば~か」って即答するあたりの呼吸のよさってひとり、笑ってしまいました。

 そして高窓太夫を演じた南田洋子さんが、とてもかわいらしいんですね。

お人形さんみたいです。まぁ、花魁の格好がね・・・「~~~でありんす」って言葉もなんだかつたないような感じがまた、きゅっとかわいい。

 そしてとんでもない話になって、なんだか知らないけれど大活躍をしてしまうことになる九ちゃん。

みんなで沢庵もって、歌って踊って大団円。

じめじめしてなくて、けろっと純粋に楽しい。そんな映画があってもいいじゃないかぁ~~。

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