キスとキズ

キスとキズ

2008年3月11日 DVDにて

(2004年:日本:91分:監督 堀江慶)

 監督の堀江慶さんという人は、『べロニカは死ぬことにした』の監督さんであり、また、俳優としても活躍されている方でした。

低予算で作られた、ヒリヒリとした先のない青年の無謀な逃避行・・・なんですが、それだけ、と言ってしまえばそれだけ、というか。

なんとも、ヒリヒリにしても痛さも、乾いた感じも、どことなく半端なんですね。かといってじめじめ感もあるんだけど少ない。

 海ぞいの地方都市でくすぶっている若者(高野八誠)

バイトしながら、作家をめざしているものの、どうにも上手くいかない。それを、酒を飲んでヒステリックになる、という風に「小人物」としていきなり出てきてしまうから、戸惑うのですね。(ちなみにからまれて困ってしまう若者が、水橋研二で、バイト先の店長が津田寛治)

 ぶいぶい酒飲んで言うわりには、何もできない若者。見た目は、ハンサムだけど、ヤな奴だなぁ~。

しかも病で先が・・・となってやけくそになる、無謀さもなんか中途半端。

バイトで知り合った中国人のロンファー(翁華栄)にそそのかされて、やくざの金を奪って、そして、出会った女の子(市川実和子)・・・3人で東京へ出よう・・・という逃避行。

当然ながら、やばい金を奪った代償として、追われるのですが、「なんでこんなことになるの?」という台詞があるのですが、ええ?こうなるのは当然でしょう?とか思ってしまいました。

でも、何も疑わず・・・ってところが無謀な映画ですね。

 ロンファーを演じた翁華栄という人は、結構たくさんの映画に出ているのですが、この映画で、飄々とお気楽でいるのが上手いです。

海辺町(宮城ということがわかりますが)の海と空の風景が、とても逆光的に撮られていて綺麗でした。

ただ、本当に、無謀なことをして、それ、わからないのかなぁ・・・と首をかしげてしまう・・・そんな納得感が少ない映画ですね。

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