チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

2008年3月19日 銀座シネパトスにて

(2008年:日本:120分:監督 中村義洋)

 原作はベストセラー、人気小説で「このミステリーがすごい」で大賞をとったという本です。

 この映画の監督さんは、『アヒルと鴨のコインロッカー』の監督さんだったのですね。

原作と映画を比べて、どちらがいいとか、書くのはやめておきますが、映画でよかったのは、特殊な心臓外科手術をする「チーム・バチスタ」と呼ばれる医師やスタッフ7人の配役です。

 トップの優秀な桐生医師が、吉川晃司、他に、佐野史郎、池内博之、玉山鉄二、井川遥、田口浩正、田中直樹・・・の7人です。

それぞれ、役割分担があって、丁寧な描写は、映画ならではの映像の見せ方だと思います。

この7人が、それぞれ、いかにも・・・って雰囲気の出し方が上手いし、好きな役者さんが並んでいて、わたしとしては豪華キャストだなぁ。

ニコール・キッドマンひとり観に行くのだったら、チーム・バチスタの7人を観た方がいいなぁ。

それぞれ、演技合戦でもあるし、「栄光の7人」と呼ばれてはいるけれど、よくよく見ると、微妙にバラバラ・・・な7人ですからね。

完璧、と言われていたのに、手術中に死亡してしまう、術死が3例続いて・・・ということで、なにがいけなかったのか、誰かが何かしているのか・・・調査を依頼されるのが、心療内科の「専門外」の田口医師(竹内結子)

 原作を大きく変えたのは、田口医師を女医にしたことですね。

まぁ、映画ではさらり、と不定愁訴外来・・・を「愚痴外来」と言ってしまっているだけで、不定愁訴と愚痴は別物なんですが、傍から見ると愚痴としか思えない・・・そこら辺は、原作者は現職の医師なのできちんと上手く説明していましたが、映画では、ただの愚痴外来。

 ほとんどが病院の中、という病院映画なのですが、手術のシーンの細かさは、熊井啓監督の名作『海と毒薬』を彷彿させる、手術シーンです。これ、難しかったと思うなぁ。

また、手術で使う道具の多さなども凄い。

その上、バチスタ手術は、一回、心臓機能を停止させて、また・・・という、もし、再鼓動がなければ術死・・・というサスペンス感もあります。

 探偵役の厚生労働省からやってきた白鳥が、京極夏彦の京極堂シリーズの探偵、榎木津と全く同じ、阿部寛というのは・・・

白鳥、完全に榎木津状態。

いや、わたしには榎木津にしか見えませんでした。ロジックモンスター・・・と言われるくらい理屈をこねまくるのですが、そこら辺は、飛ばしているから、超能力だぁ~~~~の榎木津になってしまうのですよ。

 でも、この映画は映画としてきちんと起承転結、押さえているし、この映画を観たあと、原作を読んでもまた、楽しいと思うのです。

犯人は誰だ、だけの物語ではないからですね。 

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