となりのトトロ

となりのトトロ

2008年4月5日 ビデオ

(1988年:日本:88分:監督 宮崎駿)

 ジブリのアニメはもう個人的には見なくなってしまったのですが、このアニメが一番好きかもしれないです。

それは、戦いも冒険もなにもない世界だから。

特別な異界にさまよいこむことなく、こどもたちは、トトロと出会う。

そして、畑が、これは「さつまいも」とか「とうもろこし」とか何の畑かまでよくわかるように緻密に絵がこんである日本の原風景。

 感心したのは、雨の音ですね。

新学期に合わせて、草薙一家は、「お化け屋敷」に引っ越してくるけれど、梅雨のとき、雨がぽつん・・・と降り、土砂降りになる時の音。それは、静かな所でしか聞けない音だと思います。

また、傘を持って、さつきとメイがバスの停留所に行く時に、「となりにいる」トトロ。

別になんのけれん味もなく、「そこにいる」のです。そいういうところがいいです。

傘に、ぽたんとたれた滴の音。その音に、びびびと喜ぶトトロ。

 そして、猫バスが現れるときの、ライトがびよんびよん・・・ってなるところから、突然現れても普通な猫バス。

いや、わたしは何度観ても、猫バスにはびっくりしてしまうのですが。

すごいでしょ、いきなりこれ、出てきたら。しかも夜道で。

 メイが迷子になってしまって、さつきがトトロに助けを求めても、あ、猫バス呼んで手をふるだけですか・・・。

それでも猫バスの走る姿の疾走感なんかすごいですよね。

大人の目には見えなくても、風だけは、さあああっと吹きわたるとかね。

 冒険や戦いがファンタジーではなく、ふつうに「となりにいる」っていうところがこのアニメの穏やかさであり、観ていて、和らぐものなのですね。

今回、観て、ああ、猫バスは都会にはいないよね・・・と何故か思ってしまいました。

光のない暗いところのある場所・・・そんなところにしか猫バスは、いないのです。 

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