浪人街

浪人街

2008年4月10日 DVD

(1957年:日本:110分:監督 マキノ雅弘)

 フィルムセンターでの上映でどうしても、都合がつかなくて観られなかった一本なのですが、DVDが発売されました。

もうさっそく観るわたしです。

 これは実は2度目のリメイクなのですが、3人の浪人が出てきますが、それぞれ個性があって、それが上手くからみあって面白かったですね。

浪人・・・武士でありながらも、仕官の口もなく長屋暮らしをしているような3人です。

赤牛弥五右衛門(河津清三郎)は、策略家で、権力者への反骨精神を持っています。

用心棒をしている母衣権兵衛(藤田進)は腕っぷしが強い、真面目な性格。

しかし、荒牧源内(近江十四郎)は、女ったらしで酒飲みで・・・女にスリをやらせてヒモ状態。置屋にはしっかり馴染みの芸者すらいる。

 赤牛と荒牧はやたらチャンバラしますが、夜のチャンバラの時、刀から火花がぱちぱちっと飛ぶのです。

なんか、荒っぽい喧嘩をしては、仲良くなり、一緒に酒を飲み、また何かあると、チャンバラしてって・・・それを止めるのは大体、真面目な母衣権兵衛・・・。

 ある短刀をめぐって旗本たちに、女を捕まえられ・・・・・・走り回る浪人たち。

旗本のそばにはそれをそそのかそうとする赤牛がいます。

しかし、女が処刑されそうになると・・・・・・・・・・・・一致団結する浪人たちでした。

 いわゆるはぐれものたち・・・ということでは、次郎長もの、やくざもの・・・に近いのかもしれませんが、一応、武士である、ということがあってもそれぞれのキャラクターがとても面白く描き分けられていました。

 チャンバラもなんだか楽しげなんですね。もちろんいくら斬られても血は出ないというお約束。いい時代ですねぇ。

最後に、「浪人街の白壁に いろはにほへとと 書きました」という字幕が出ます。

ストーリーには関係ないのですが、浪人たちのあれこれ・・・武士として生きるもの、死んでいくもの・・・そんな者たちが集まる浪人街。

立派な言葉でもなく、ありがたいお経でもなく、「いろはにほへと」だ、というのがとても粋で、この映画をよくあらわしているような気がします。 

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