シャイニング

シャイニング

The Shining

2008年4月19日 DVD

(1980年:イギリス:154分:監督 スタンリー・キューブリック)

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スタンリー・キューブリック監督はただでさえ怖いのに、スティーブン・キングのホラー小説を。

1980年当時、この映画が封切りされて人気、話題になったのはよく覚えていますが、こわくて観られませんでした。

一応、わたしもホラーが怖い、と思う若い時があったんですよ。

ただし、公開当時は119分。今回、DVDはなんと「特別コンチネンタル・バージョン」だっ!154分もあるのだっ!

 しか~し!28年前の映画ですが、なんという完成度!

怖い!美しい!怖い!美しい!・・・でさすが完璧主義のキューブリック監督だと・・・

何がすごいって154分もの間、夫婦と子供ひとり、で描いてしまったことです。

 冬の間は閉ざされるコロラドの大ホテルの管理人をまかされた男とその家族。

男は一応、作家で、職もあり、小説も書ける・・・という条件が気にいったのです。

狭い空間というより、外の世界と隔絶されているけれども、3人のいる空間は異様に広い。

広いホテルの中をカートで走りまわる男の子をなめらかに追うカメラ。

豪奢なホテルの美しいカーペットの幾何学模様もだんだん怖くなってくる。

 過去、殺人があったいわくつきのホテルですが、だんだん、男(ジャック・ニコルソン)には狂気が宿る。

これがねぇ。怖いですよ、ジャック・ニコルソン。ただでさえ怖い顔してるのに、さらに、目がギラギラしてきて・・・・。

そして妻が、ロバート・アルトマン映画の秘蔵っ子、シェリー・デュバル。

恐怖演技、上手いですね。ホラー映画には、絶叫がつきもの・・・ですが、シェリー・デュバルのおののき・・・というのもリアル。

さて、シャイニング・・・という超能力が男の子にはあるのですが、映画はだんだん、男の狂気にしぼられていきます。

理由理屈なんてない。とにかく、狂う。

男にとっては、誰もいないはずのホテルのバー・ラウンジには人がたくさんいてさざめきあっている・・・そんな狂気に落ちていく様子がじわじわと怖い。

 そして、見事・・・としか言えないカメラワーク。

本当に素晴らしいカメラワークで、どうして今の映画の人たちはこれをやらないんだろう、と思います。

完璧とはいえ28年前なのに。

 完璧だから、観やすいか・・・というと、わああああっ観終わった後、疲れてばったり倒れてしまいました。

それだけ、この映画はすごい!

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