Sweet Rain 死神の精度

Sweet Rain 死神の精度

2008年4月20日 丸の内プラゼールにて

(2008年:日本:113分:監督 筧昌也)

 原作は伊坂幸太郎の『死神の精度』

人が死ぬ予定ができると7日前・・・・死神がやってきて、「実行」(死)か「見送り」(生)か判定にやってくる・・・という設定。

監督は『美女缶』ですぐれたアイディアを発揮した筧昌也。

この原作も「時間」を使ったトリッキィな部分があって、原作では、死神(一応、名前は千葉ってことになってます)は6人の元を訪れて、殺人事件まで解決してしまうのですが、映画では、大幅にけずって3人です。

 この3人というのが、「過去」「現在」「未来」・・・それぞれを受け持っています。

 だからよくよく見ると、ファッションが、昔はやったようなファッションだったり、髪型だったりします。

 死神・千葉を演じるのは日本映画久し振り!(リターナー以来?)の金城武。

何故か、千葉が地上に降りるといつも雨。相棒は黒いラブラドール・レトリバー犬。

原作では、対象者に合わせた年代になる、ということですが、そこは金城武が色々なファッションを変えて、まぁ、金城武ファッションショーでもあります。

でも、こういうことやって、おかしくない不自然さという自然さが出せるのが、金城武の「少し人間離れ」した雰囲気だからこそ?

 死神さんは他にもたくさんいて、何故か、死神さんは、「人類最大の発見」というミュージックが大好き。

CDショップの視聴コーナーにお仲間がたくさんいたりします。そんなところも面白い。

まぁ、死か見送りか・・・のために一応聞く言葉は「死ぬことについてどう思う?」

 最初に、対象者としてつくことになったのは、27歳の会社員の女性(小西真奈美)

このときのファッションは、白のシャツに麻のジャケットという、好青年風。

このとき、千葉がミュージックショップに入って聴いて、「やったぁ~~~~!」って顔するのがヴァン・ヘイレンの『JUMP!』なんですよね。

そこら辺でああ、ってわかる仕組みになってます。

とにかく死神さんはミュージックが好きで、それ以外はあまり人間たちのことには、関心がない。

だから、変な言葉使いをしたり、逆に言葉を知らなかったり・・・「雨男なんですね・・・」と言われても「それは、雪男というのと同じかな?」

 そして次の対象者は40代のやくざ(光石研)

もう仲間から追い詰められて、逆に裏切った奴を襲って玉砕するつもり?それを必死に止めようとするチンピラ(石田卓也)

このときのファッションは、赤茶のレザージャケットにリーゼントにサングラス、不精ひげのあやしいチンピラ風。

しかし、なんだかやくざ同士のもめ事に巻き込まれてしまうけれど・・・・・死ぬことのない死神は痛みも感じないし、な~~んとも平然としています。

 最後の対象者は、海辺で美容院をしている老女(富司純子)

ここでは、ヒッピー風のGパン姿。

老女だけは、千葉の髪を切りながら「あなた死神でしょう」とずばり、と言う。

それは理由があるのですが、何故か、老女は死神と知っても、動じないで逆に「あさって、小学生の男の子を美容院にたくさん連れてきて」と命じる。

 原作を大幅に変えてありますが、死神の感じは、原作に忠実なんですね。

いい男、強い男なんだけど飄々としていて、感情というものがない、無関心なけろりとした表情。に、と笑ってもとってつけたような笑顔です。

地上に降りると雨ばかりだった、千葉。でも最後やっと、晴れた空を見る。そこがとてもきれい。

 死神のお仲間には、村上淳や嶋田久作さんなんかがいて、CDショップにたむろしていたり、意外なところに現れたりするのですが、そうですね、わたしが死神逆指名するとしたら嶋田久作さんがいいです。

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