月とキャベツ
2008年5月26日 DVD
(1996年:日本:100分:監督 篠原哲雄)
篠原哲雄監督の長編初映画であり、デビューして間もなかった山崎まさよし(当時24歳)主演という初々しいといえば初々しい映画です。
何故、主役に抜擢したか・・・ということに、監督はライブで見たときの「面構えが良かったから」と言っていました。
そうなんですね。特に、ハンサムとか・・(何をもってハンサム、美男というか人それぞれとはいえ)というより、不敵な面構えをしているのですね。
それがこの、バンドを解散したあと、スランプになってしまって、山の中でキャベツを作っている、ミュージシャンの花火という男の人(というよりまだ男の子?)にぴったりです。
そこへ、白い服をきた、ヒバナという不思議な女の子が現れ、花火のファンで、ダンスで花火の曲を踊りたい・・・と言い出す。
不思議な共同生活を始めた2人。
ヒバナという女の子は、どちらかというと少年のような細い体をしていて、女らしいというよりも、妖精のように描かれています。
クレジットには出ないけれど、何か曲やってよ・・・というヒバナに花火がハーモニカでちょっと吹くのは『妖精といた夏』だったりします。
この映画はまさに妖精のような女の子といた夏の物語。
ひとりの青年の再出発を描いていて、また音楽映画としても、出しすぎず、抑制がきいていて、ファンタジックな部分もぎりぎりのところで恥ずかしくない。(こういう映画は下手すると「恥ずかしくてたまらない」になりがち)
原作は、シナリオ・オーディションで選ばれたもので、きちんとしていますし、脇に出てくるなんとか花火を再出発させたい、音楽プロデューサーのダンカン、カメラマンでなかなか次に踏み出せない花火を見守る兄のような存在の鶴見慎吾とか・・・なかなかいい雰囲気なんですね。
特に、ダンカンが演じたプロデューサーは、実際の業界はこんな甘くないのだろうけれど、一種のファンタジックな存在でしょう。
この映画でよかったのは、群馬(関東一のキャベツの産地)でロケされたキャベツ畑の緑の色と質感。あのキャベツの葉の質感がとても気持良い、ファンタジック・キャベツ。
キャベツを丸ごとゆでて、ざくざくナイフで切って食べるなんて、ちょっと可笑しいような切ないようなシーンもいいですね。
最初に人気グループ(アイドルグループのような雰囲気の)、ブレインで歌う花火・・・の映像がちょっと出てきますが、このバンドのベーシストが田中要次さんだった・・一瞬ですけどね・・・というのがすごく気に入っています。
もう、田中要次さん、何やっても「そのもの」なんだもの。いや~~~いいもの、見てしまった。
*****追記******
今でも好きなのですが、このDVDを借りて観た時は、ものすごく山崎まさよしさんが好きでした。
まだ、若かったよねぇ、まさよしさん。
今は貫禄がついて大御所になってしまったけど、この頃はちょっと顔が違っていて男の子っぽかったです。なつかしいなぁ。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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