くりいむレモン

くりいむレモン

2008年5月26日 DVD

(2004年:日本:78分:監督 山下敦弘)

 山下敦弘監督自身が、こういう「ソフトエロアニメ」の世界を映画にするのに、話がきたときびっくりした、と言われていましたが、いわゆる禁断の愛ものであっても、どこかスコーンと抜けたような空気感のある映画でした。

 再婚の連れ子同士の血のつながっていない兄と妹。

子供のころから仲がよくて、両親が再婚したのも、まず、兄、ヒロシと妹、亜美が仲良くなったからじゃないか・・・といわれるくらい仲の良い兄妹も大学生と高校生というね・・・・

 ひとつ屋根の下で暮らしていても、特に意識し合うことがなかったけれど、それぞれが異性の友人がいる、となると急にお互いをちらちら意識しあうあたりがね・・・兄を演じた水橋研二君は、こういう役、上手いですから、目がウロウロ泳いでいる表情なんかとてもいいのです。

妹を演じた村石千春だけでは、ダメで、兄の水橋研二という存在が大きいですね。

ただのエロエロアニメでなくて、ちょっと苦いような、甘いような、透明のような・・・それでいて不安なような・・・空気を出しています。

 両親が旅行に行ったとき、ついに一線を超えてしまうのですが、その後・・・です。問題は。

2人にあるのは、「嬉しい」という気持よりも「不安」の気持の方が大きくなっていくようで。

でも、ある一線を超えてしまったら、昔のように無邪気にもなれない。

そんなジレンマが出てきてしまう。

 両親に見つかって家を飛び出した2人ですが、大学生と高校生・・・未来があるようで、こんな恋には未来はないのです。

そもそもこれは恋なのかな?「好き」という気持=恋ではないのではないかと思います。

そんな不安。戸惑い・・・でも映像はあくまでも透明で、スコーンと抜けたような空気を保っています。

調べたら、アニメ版というのはたくさんあるのですが、映画としての完成を観てしまうと、この「ストーリー」のその後・・・や、別エピソードまで追いかけることは、まず、ないですね。  

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更夜飯店

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