クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ

2008年6月18日 九段会館にて(試写会)

(2008年:日本:145分:監督 原田眞人)

原田眞人監督は、また堤真一を主役に・・・って全編、これ、堤真一な映画でもありました。

日航ジャンボ墜落事件・・・1985年。

それを新聞の記事にする地元新聞記者たちの葛藤・・・がメインですが、色々な要素があり、あれこれ描きたいものがたくさんあって・・・という印象がありますが、男のドラマですね。

 日航ジャンボ機の事件の記事、全権をまかされた悠木(堤真一)

悠木は、ちょっとアウトロー的な立場にいますが、40歳の働き盛り。

そのやり方に口を出す人々。

味方もいれば敵もいる。

 新聞社の現場は、怒鳴り合いの連続で大変な修羅場となります。

心身ともに強くないと耐えられないよなぁ、、、、なんて思います。

その中で、上司の遠藤憲一と、部下の堺雅人の印象がとても強いのです。

 事故の当時はまだ、携帯電話というものなく、山奥での事故にすぐ駆けつけるものの、その記事を伝える方法に苦労します。

堺雅人は、もうひとりと命がけで山に登り、壮絶な現場を目にする。しかし、下山してから伝えた記事は、新聞に間に合わなかった・・・・それを後から聞かされたときの、堺雅人の堤真一を無言でにらみつける、その目が憎悪に燃えているようで怖いくらいでしたね。

しかし、他のデスクたちと違って、怒ったりしないけれど、休めよ・・・と言われるのに「いや、騒がしい方が落ち着く」と言い捨てるあたり、悔しさがにじみ出ていました。

 しかし、見てきた壮絶な現場をそのまま書いていいのか、何を新聞の記事にどう書くのか・・・といった良心とマスコミの複雑な心境もありました。

また、悠木は、日航機事故の記事を上の指示を無視して、宣伝を勝手にけずってしまったり、記事の無理やりな掲載もします。

それを影でサポートするのが、マギーとでんでんで、この2人の存在は心強いですが、堀部圭一などは、批判的。

働く男たちの熱いドラマ・・・の部分は良かったですね。

 あの事故はよく覚えていますが、どうだろう、セリフに「大久保連赤」と何度も出てきても説明なかったり。

上司の遠藤憲一はこの事件の時、スクープをとった・・・というのが今でも誇りに思っているけれど、もう、あの時のやり方は古い!と堤真一は言い張り、ぶつかり合う。

わたしは、大久保清の事件とか、連赤といえば・・・だったね、とわかるのですが、若い人にわからるのかなぁ、という疑問があります。

 メインとなる男の人たちが、背が高くて、足が長くて、格好いいという・・・これは男の映画だと思います。

別に男の映画、女の映画があるわけではないのですが、骨太なことを目をそらさず描くところは甘くないのです。

そういうところが良かったですが、他のエピソードを挟むタイミングが・・・無理やり描きすぎる部分もあったかな、と思います。

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