ザ・コミットメンツ

ザ・コミットメンツ

The Commitments

2008年6月22日 DVDにて

(1991年:イギリス:118分:監督 アラン・パーカー)

 この映画を観ようと思ったきっかけは、ある音楽情報でこの映画のサントラ盤がおすすめされていて、興味を持ったんですね。

音楽情報で紹介されるようにこれは音楽バンドものです。

バンドといっても色々ありますが、この映画では、ソウル・バンド。

 監督のアラン・パーカーは古くは『ダウンタウン物語』『フェーム』など音楽をふんだんに取り入れた映画を作っているのですが、この映画の舞台となるのはアイルランドのダブリンです。

 おもしろいな・・・と思ったのは主人公がバンドで歌ったり、演奏するのではなく、ジミーという失業中の青年(ロバート・アーキンズ)は、あくまでもマネージャーなんですね。

だから、全体としていつもバンドや音楽を第三者的に見ているという映画なんです。

ソウル・バンドをやろう・・・と、自分で自宅でオーディションをしてメンバーを集める。

生活としては裕福ではなくて、失業手当の列に住んでいるし、家は、どちらかというと低層、労働者階級です。

色々な若者が、集まってくるのをテキパキと・・・というか、パンク・ファッション見ただけで「お断り!」ドア、バタン!の繰り返しが笑えます。

好きな音楽は?・・・バリー・マニロウ・・・お断りっ!

 どうにか集まったバンドですが、ほとんど素人もいれば、本当なんだかわからないけれど、有名なミュージシャンとやってきたんだぜって自慢ばかりしている男もいたりします。

練習の場所探しから、プロモーション活動・・・演奏する場の確保。

色々なところで、ザ・コミットメンツは演奏します。それをテキパキとユーモラスにスケッチしていきます。

そして、バンドが演奏する曲がだんだんレパートリーが増えて、いい曲、上手い曲になっていくんですね。

 ジミーはあくまでもマネージャーですが、メンバー同士、喧嘩があったり、コーラスの女の子に次々と手を出す奴もいたり、俺はもう辞める!といったすったもんだもたくさんあります。

それにマネージャーのジミーはあまり翻弄されないところがいいです。結構、冷静で判断力があります。

有名になったときのことを妄想して、妄想インタビューに答える練習をお風呂の中でするところが何回か出てくるのがおかしい。

 でも、コミットメンツは大成功をおさめました!!!めでたし、めでたし!という映画ではなくて、なんとなくバラバラになっていくのが最後になってさらり・・・と描かれていて、いわゆるサクセス・ストーリーではなく、バンドのメンバー&ジミーの群像劇となっています。

でも、音楽が好きなんだよね、成功するとか、しないとかではなく、音楽やりたいんだ・・・って気持がずっと底辺にあるんです。

人を見る目が温かい映画です。

 DVDの特典映像はあまり熱心に見ないのですが、このDVDはプロモーションビデオがあって、なんだろう・・・と思ったら、本編では音楽を一切やらないジミーが一曲、フルコーラス歌って、うしろにはコミットメンツのメンバーが・・・という微笑ましいものでした。

いや、これ、映画のエンドクレジットとかにすれば、よかったのになぁ、とこのPVもとてもいいですね。

大作映画ではないけれど、こういう人を見る目が温かい映画は、スターが出ていなくてもいい映画だなぁ、って満足感が大きいです。


****追記******

この映画は山崎まさよしさんが好きな映画として挙げていました。

このDVDを観た頃って結構、山崎まさよしさんからギターが好きになってって音楽に興味を持っていた時期だったとわかります。

音楽は結局、才能なかったのですが、今、カラオケは練習してるから良しとしましょう。

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