アフタースクール
2008年6月28日 シネカノン有楽町二丁目にて
(2008年:日本:104分:監督 内田ゆうじ)
大人の放課後は、ちょっとビターです。
もう、遊びまわることはできない。何か終われば、次に何かすることがある。そんなことの繰り返しになってしまうのが「大人の放課後」だと思うのですね。
ずっと仕事ばかりしている、というわけではないけれど、何もかも忘れて遊び呆けるわけにもいかず、遊んだところで頭のすみにはなにか、「やらなくてはならないこと」がひっかかっている。
この映画は一回観ただけでは、わからないというか、一回目はひたすら騙されてしまう、そんな騙される喜びをまず体験して、もう一回観るのがいいのかもしれません。
一体誰を信じれば、何の言葉が真実なのか・・・大人になるとはぐらかされることばかり。
うわべでは優しいけれど、本心、本音はどうなの?そんなことを思うと、やりきれないときもある。
「いいひと」・・・そんなひとことで表わされないのが、大人の厄介さ・・・というか大人でなくても厄介なものは厄介です。
木村(堺雅人)というサラリーマンの浮気調査を頼まれたやくざ探偵(佐々木蔵之介)は、中学生の同級生と偽って、中学に行くと木村の同級生で今は母校の教師をしている神野(大泉洋)に出会う。
さてこの3人の男性に、子供を出産した、やはり同級生だった佐野(常盤貴子)と木村の浮気相手?と思われる女性(田畑智子)・・・この5人の一日を描いていますが、前半の「うわべ」は後半でぐるっと反転する。そのひっくり返し方が見事。
言葉(台詞)と映像ってものがきちんとわかっていると思うんですね。
ただ、言葉で説明するのではなく、映像できちんとみせることができる、というのは映画の醍醐味。
テレビだとこの展開は早すぎるかな・・・スクリーンで集中して観ないと、上手く騙されない。
この映画を観て、ミステリ小説などでもあるのですが、「まんまと騙される喜び」ってものを久し振りに堪能しましたね。
もう、一度観たい映画。
*****追記****
最近(2017年)に配信にて再見しました。すっかり内容忘れてしまって、新鮮に騙されました。内田ゆうじ監督の映画はDVD揃えてもいいと思ったりします。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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