死霊のはらわた

死霊のはらわた

The Evil Dead

2008年7月3日 DVD

(1983年:アメリカ:86分:監督 サム・ライミ)

 ある映画情報からこの映画を観ることになったのですが、今では'スパイダーマンのサム・ライミ監督'ですが、わたしが10代のころは、'死霊のはらわたのサム・ライミ監督'でした。

ですから、スパイダーマンをサム・ライミ監督が撮る、と知ったとき「おぉ~~死霊のはらわたの?」と思いました。

それくらい、この映画は名作誉れ高いのですよ。

 今回、DVDではありますが、観て、一番良かったのは、86分という長さです。

もう、ホラー映画はえんえんとやるものではありません。

ささっとやって、おおおおってなって、おわった~~(って訳わかりませんが)あれあれあれまぁ~~~~とあっけにとられるようなホラー映画が好きなんです。

それはホラーに限らず、映画の基本の時間は90分だと思うのです。

 テレビCMや、音楽プロモーションビデオなど監督している人(ミシェル・ゴンドリー監督、市川準監督、石井克人監督など)は、短い時間でいかに見せるか、ということがよくわかっていると思うし、観る方の生理というものを考えてほしいなぁ、って思うのです。

もちろん、長い時間の映画であっても内容的に「もっと、観ていたい!もっと長くていいっ!」という映画もありますが、稀です。

 さて、次にいいのは「理由理屈なし!全くなしっ!」

アメリカのホラー映画となると妙に宗教がからんでくる場合があります。

『エクソシスト』はわたしの中ではホラーでなく、宗教映画。

 この映画では、山奥の別荘にやってきた男2人、女3人のグループがその土地の死霊にとりつかれてしまう・・・というものなのですが、別にこの5人が何か悪さをしたから、というものはありません。

この手の設定はもう、『13日の金曜日』なのですが、ジェイソンのような「怪物」も出てこない。

5人が次々ととりつかれていって・・・襲い合うのです。

ですから、観ていて・・・あらま、なんでこのヒトが・・?などと言う理屈飛ばしてますから、おおお、次はこっちかぁ~~~とほとんど感心です。

 そして、妙にあっけらかんとして明るいとまで言えるその空気ですね。

じめじめ、じとじと・・・・そんな空気はなく、夜の別荘の外にはスモークが・・・ですが、なんか全然不気味じゃない。

死霊にとりつかれた女の子が、けらけらけらけら笑ったり、歌まで歌ってしまって・・・しかも最初にとりつかれた女の子は、地下室閉じ込められますが、あげ蓋から顔をのぞかせて、ヒューヒューとからかったりするのです。

ずっと傍観者(傍観死霊)がいるって妙におかしいんですよ。すごいツッコミしますからね。

 この映画を撮ったとき、サム・ライミ監督、若干22歳。

低予算で、有名な俳優も使っていないのですが、編集はあのジョエル・コーエンだったり、おどろきですね。

本当にタイミングが上手いし、何よりも、カメラワーク。

森の木々を押し倒すようにしてぐんぐんぐんって別荘に近づくカメラワーク。

外に出れば死霊に襲われる!となっても、死霊は出てこないであくまでも、カメラワークで迫っていくわけです。

実際お金がなかったのかもしれないれど、それでもちゃんと、最後の最後まで、カメラワークに凝り、地下室の電気のコンセントから血が流れ出し、電球の「中」に血が、ツツツツ~~~なんていう、本筋には全く関係ないけれど、感心してしまうような描写があちこちにあります。

 夏になると怪談とかホラーっていいますけれど、いや、この映画はオールシーズン、オッケーです。

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