壁男

壁男

2008年10月4日 DVD

(2007年:日本:98分:監督 早川渉)

 この映画は、原作が諸星大二郎の漫画で、まぁ、わたしは知りません。

諸星大二郎って、すごくマニアが多い漫画家なんですが、縁がないもので。

 都市伝説・・・を扱った映画ですが、さらにわたしは、「都市伝説」なるものにも無縁です。興味ないっていうか。

ちょっと都市伝説というものを調べてみたのですが、現代の怪談・・・みたいなものですね。昔だったら口承でこういう物語は引き継がれていくのですが、テレビやネットという媒体で、広がっていく、というのも特徴。

トイレの花子さんとか・・・昔だと口裂け女とかですかねぇ。

都市といっても、都市部だけではないそうです。

 この映画の特徴は、全編、札幌でロケされていることでした。

街が雪でいっぱいの風景がたくさんでてきて、これ、どこだろう???って思いました。

 あるテレビ・バラエティ「町の噂」に来た投書。

壁には、人間がかくれていて、その壁男はいつでも家の中の様子を見ているという。

テレビキャスターの響子(小野真弓)は、その担当になり、取材を始める。

恋人はカメラマンの仁科(堺雅人)ですが、一見、穏やかな仁科は、壁男にとりつかれたようになり、壁の写真ばかり撮るようになる。

どうせ・・・・・噂話だし・・・と割り切っている響子に反して、穏やかながらも狂気に走る男というわけです。

 映画としては、血を出さなかったというのはいいと思います。

ホラーというより都市伝説、ということを強調する分、地味になってしまったというか。

堺雅人が、本当に穏やかそうな好青年なんですが、激変するというよりじわじわととりつかれていく・・・という。

もともと商業カメラマンとしては腕がいいけれど、芸術写真になると、こだわりをみせる・・・ということから、普通っぽくて普通じゃない・・・そんな役はあっていたと思います。

 そう、この映画は、普通の生活にじんわりとひろがり、一人歩きを始めて、忘れ去られてしまう都市伝説・・・普通というのがキーワードですね。

普通の中の、異常。

しかし、とことん追い詰めなかったところがね・・・・追い詰めちゃったらホラーになってしまうのかなぁ、と思いますが、塚本晋也監督の都市と肉体の映画はホラーではありません。

そこまではいかなかったか・・・というのもちょっと感じました。 

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