ある脅迫

ある脅迫

2008年10月7日 京橋・フィルムセンター小ホールにて(第9回東京フィルメックス特別試写会)

(1960.年:日本:66分:監督 蔵原惟繕)

 今年の東京フィルメックスの特集上映は、蔵原惟繕監督特集。

わたしの年代で言うと、『南極物語』『キタキツネ物語』の監督で、日活時代は石原裕次郎の映画を多く撮られた監督です。

 プレイベントとして試写会がありましたので行ってみました。

66分という長さで、素晴らしいサスペンスです。

 銀行強盗の話なのですが、アイディアが上手いです。こういうのをフィルム・ノアールと言うのではないかと思います。

東北の銀行が舞台ですが、金子信雄は、頭取の娘と結婚して、副支店長、出世街道まっしぐら。本店への栄転が決まる。

金子信雄と幼馴染で、同じ年の、西村晃は、正反対。

同期入社なのに、単なる庶務係。

 しかし、突然、東京から謎の男がやってきて、金子信雄が出世のためにしてきたあくどいことの証拠がある・・・・金を用意しないとばらす・・・と脅迫。

さらに、金が用意できなければ「自分の勤める銀行」から金をとればいいじゃないか・・・・・とそそのかす。

そんなとき、夜勤になったのが、西村晃。

 どうなる、どうなる、どうなる・・・・・・・・・・・??????という引っ張り方が尋常でなくスピーディ。

人間の欲というものを深く、鋭く突いたストーリー展開。どんでん返しにつぐ、どんでん返し、びっくり!え?また、びっくり!うわあああ~~~!!

目が離せません。

上質のミステリを読んだ気分。

こういうぱぱぱぱぱぱぱ!!!!と展開が素早い、かつ、説得力と魅力があふれる映画が観られたというのはもう貴重な体験としかいいようがありません。

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