愚公移山

愚公移山

Li Shunanliang

2008年10月22日 東京都写真美術館ホールにて(第21回東京国際映画祭 2008東京・中国映画週間)

(2008年:中国:?分:監督 フォ・ジェンチィ)

 やはりですね、東京国際映画祭では中国映画を観ないと・・・・ってこれはわたしだけのきまりなんですが・・・

『山の郵便配達』のフォ・ジェンチィ監督の新作で、東京・中国映画週間のカテゴリになってますが、これ、natural TIFFでの上映でも良かったのではないかと思います。

 製鉄工場で働き続けて、定年を迎えた李さん。

製鉄工場では、工場廃棄物がたくさん出て、それが山のようになっている。

それを、どうにかしてくれ・・・・という仕事を定年後の仕事として与えられる。

 これが膨大な山・・・・で、次々と日々廃棄物が捨てられる・・・・それをどうしたものか・・・・

李さんは、歩合制ということで、廃棄物の中の資源を探す・・・ということを考えつくけれど、これが大変な重労働。

そこを農村地区の人々を集めて少しずつ・・・・山を減らし・・・そして今ではそこは公園になっている、という実話ですね。

 李さんは、とても真面目で、誠実で、潔癖で、無欲な人・・・となっています。

重労働が続くと人間関係も悪くなり、家族もそれぞれ不満を持つけれど、志高い李さんはそれには屈しない。

 こつこつとしてきた仕事の報酬として大金を提示されても・・・・・受け取ることを拒否する李さん。

自分一人でやってきた仕事ではないから、このお金は、働いた人すべてに分配すべきだ・・・と。

「愚公移山」というのは論語の言葉だそうですが、まさに李さんは、自分の欲を捨てて愚かなまでに実直に、本当に山を動かしてしまうのでした。

この映画はとても風景が広大。

大きな工場。そして、廃棄物の山がどのくらいか、、、、一歩一歩歩きながら歩幅で広さをはかる・・・そんな風景がとても美しいのですね。

若い時の奥さん役が、ドン・ジェでした。知らなかったから、結構、びっくりしました。

若い時の工場は、賃金ではなく、米や麦の配給で・・・そのころから、ひたすら李さんを支えてきた奥さんもまた高潔な人物でしたね。 

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