火星のわが家 Mars Sweet Home
2008年11月16日 DVD
(2000年:日本:104分:監督 大嶋拓)
『カナカナ』がとても印象深かった大嶋監督の映画です。
大嶋監督が、脚本も編集もしているのですが、なんというか、脚本上手いと思います。
脚本で、会話の中で状況説明するのって、難しいことなんだなぁ、と思いますが、そこら辺がとてもスムーズに感じます。
火星のわが家、というのは年老いた父(日下武史)が昔、「一口1000円で火星の土地を買いませんか」という仕事をしていて、結局それは立ち消えになってしまったことと、倒れた父を介護する、娘である、姉と妹、そして家の離れに間借りしている青年・・・映画はこの4人だけ、といってもいいかもしれません。
父は科学小説などの本を書いてきて、姉は結婚、妹はアメリカに渡って歌手をめざしている・・・しかし、妹は心因性で歌えない・・・そんなときに帰国したことから、4人の関係がなんとなく動きはじめる。
頑固な父、気の強い姉、おとなしいけれど、どこか頑なな雰囲気のある妹、その間にいるおとなしい青年(堺雅人)
父が亡くなったら、家はどうするの・・・姉は、抜け目なく相続をねらっていたりしますが、父が、昔やっていた「火星の土地売ります」商売も続けること、を遺言で条件にする・・・というと、家(金)だけ欲しい姉は「なにいってんの、とんでもないわよ」
だんだん、姉と妹の間に確執が出てきます。
家といのが、とても大きなものを占めていて、本当に帰る家はどこなんだろう・・・・むしろ、狭い日本の狭い土地を、親族で取り合っているのに、火星に土地・・・・というアイディアというかモチーフの使い方、好きですね。
姉はとにかく父をそりが合わないけれど、がめつい・・気が強い、我がまま・・・ですが、大嶋監督の映画の中では、「そんな人もいる」という自然な捉え方で、「悪者」にしていないところ、許さないっ!という感じがない、なんだかんだいって、最後は許す・・・というものがあると思います。
家族の間にはさまれてしまう青年が堺雅人でしたけれども、好青年で、でも、やはり頑固な点もある、というなかなかの曲者だなぁ、と後になって思います。
大嶋監督の描く人間って、どこか、頑固なんだなぁ、とちら、と思いました。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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