ノン子36歳(家事手伝い)

ノン子36歳(家事手伝い)

NON-KO

2008年11月24日 有楽町朝日ホールにて(第9回東京フィルメックス)

(2008年:日本:105分:監督 熊切和嘉)

コンペティション作品

 熊切和嘉34歳(映画監督)

・・・・というわけで、この映画は熊切監督が、「年上の女の人がすき」ということからストーリーを立ち上げたそうです。

ちょっと、きれいな、はすっぱな、気の強いおねえさんに憧れてるのかぁ・・・・。

 この映画は、ひとことで言ってしまえば「きれいなおねえさんは好きですか?」なのですが、ノン子(坂井真紀)は、東京でアイドルをめざしていたものの、芸能プロダクションが倒産、そのプロダクションの社長(鶴見慎吾)とも離婚し、実家の神社に戻っている。

特に仕事・・・ということもせず、まさに「家事手伝い」

 そして、その神社のお祭りで、ヒヨコ売りをしたい、と20代のマサル青年がやってくる。

ノン子は、36歳でもさすがもとアイドルですから、きれいで、スタイルがよくて・・・・でもかなり無愛想で、はすっぱ、強気です。

でも、そんな「強くてキレイなお姉さん」に、恋心を抱いてしまう純情なマサル青年。

 しかし、東京から元・夫が、やりなおそう・・・結婚もテレビのアイドルの仕事も・・・・と甘い話を持ってくることから、ゴロゴロと話は転がっていく。

熊切監督の描く「大人の女」というのが、いわゆる「やさしい」でなく「つよい・・・けど、よわい」であるところが面白いです。

ノン子の妹は、地元で結婚して子供がいて、「バカな女」と姉のことを、すっかりみくびっている。

ノン子は煙草を吸いながら、ふふん、それがなによ・・・・という風をしていて、いざ、元・夫に会うと誘惑には負けてしまう。

 話、少しずれますが、上映後の質疑応答で、大学生の男の子が「離婚したのに・・元・夫の誘惑に負けてしまう」のは、あり?ですか?と不満気に?質問されたのに対し、監督は、ちょっと笑って「うーん、僕も大学生くらいだったらね・・・あそこで、誘惑に負けてほしくないって思うだろうけど・・・もう、この歳になるとねぇ・・・・」

いや、わたしも、あそこでは誘惑に負けるのが正直な姿かなあ、と思いました。

でも、そんなのヤダって、若い男の子の純情さ、潔癖さが、まさにマサル青年なわけで、へへぇ・・・・そうかぁ・・・なんて、興味深く思いました。

思えば、自分も随分すれっからしになりましたなあ。

 この映画は映像がとてもクリアで綺麗、透明感があります。だから、いやらしくない。

一番好きなのは、ノン子が、怒ったときに、言葉なしでいきなり、パーでなく、グーで一発殴るところで、そこら辺の呼吸ってすばらしいタイミングですよね。

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