ショーガ

ショーガ

Shuga/Chouga

2008年11月29日 有楽町朝日ホールにて(第9回東京フィルメックス)

(2007年:カザフスタン=フランス:88分:監督 ダルジャン・オミルバエフ)

コンペティション作品

 この映画は、トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の映画化というより、そのストーリーを取り上げたというか抜粋したものであって、忠実な映画化ではないそうです。

 確かに、金持でめぐまれた女性、ショーガが、年下の男性アルバイと出会い、恋に落ちる・・・そしてすべての生活を捨てて、アルバイとフランスに駆け落ち・・・というものです。

 映画の特色としては、クリアな映像と音響だけを使って、映画を成立させていることで、意識的に音楽は使わなかったそうです。

音楽に頼る・・・ということは、とても演劇的なことだ、と監督は言われています。

 確かに、映画の中では、登場人物たちは会話はするけれど、いわゆる喜怒哀楽をはっきり出すことはなく、びしっと決まった構図の中にただいる、だけのようです。

感情演技も避けて、映画というものの真髄に迫ります・・・という・・・でも、ストーリーはいわゆる駆け落ちものなんですね。

そこがとても面白いと思います。

いくらでもドラマチックにできるところを、あえて、絵だけを見せる。

それには、監督(作り手)の自信と勇気が見られます。

これ、どんな映画ですか?と聞かれたら、話としてはあるけれど、「ゆるがない映画」とわたしは答えます。 

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