愛のむきだし

愛のむきだし

Love Exposure

2008年11月29日 有楽町朝日ホールにて(第9回東京フィルメックス)

(2008年:日本:237分:監督 園子温)

特別招待作品

アニエスb観客賞受賞

 園子温監督の新作『愛のむきだし』約4時間一挙上映ということをしてしまうのが、東京フィルメックスです。

園子温監督、237分一本勝負!!!

 園子温監督は、 大好きっ・・・か・・・大嫌いっ・・か どちらかで、その中間ってないと思うくらい、極端な映画を作ります。中途半端は似合わない。

罪と罰、聖と俗、性と欲・・・すべてがむきだし。

若い俳優さんがメインだけれど その体当たりの演技は、なんであれ、特筆すべきものが。

アイドルのような若い俳優さんにこんなことをさせるのは?という問いには、

「俳優は体張ってやるもの。温室育ちにしすぎていないか」と監督は答えていました。

 この映画は、人には絶対すすめません。 もう、観たければ観ればいいと思います。

しかし、愛というもの、好きという気持ち、そして性欲・・・というのははっきり分かれるものではない、ということもむきだしにしてみせます。

 ある意味、男の子ユウは、女の子ユウコに一目惚れしてその後は何の迷いもなく 好きを貫くという純愛映画でもありますね。

 宗教的な愛とか罰をからめて、盗撮という罪をわざと重ねていく少年。

罪が増えれば増えるほど、神父である父に「懺悔」することが出来て、父に近付けるのです。

だからこそ、欲は感じないのに盗撮を繰り返す。

そして出会ったユウコに一目惚れして初めて「性欲」を覚える。 ユウコはそんなユウを「変態」としかみなさない。

男はみな、変態だっ・・・・・・・

そこにつけこんでくる新興宗教の女、コイケ。

ユウ、ユウコ、コイケ・・・この3人の若者のむきだしぶりっていうのも、すごいが一番欲をむきだしに しているのは実は、継母になる渡辺真起子さん。 すごいはじけぶりで、この人はすごいですね。俗なるものは、男の子の性欲ではなくて、こんな女の人のしたたかさなのかもしれません。

盗撮や喧嘩、暴力の部分はコミカルにしていて 非現実的な漫画のような描き方をして 後半、2時間はユウとユウコの対峙を描く。

大変シリアスでコミカルで不謹慎で、そして 恐ろしいほど美しく、純愛な映画です。

すごいな~~~

一般公開よりも映画祭とかで評価される映画でしょうね。

でもこの映画の娯楽・・・の部分もすごいと思いますよ。

この映画が、観客賞をとったというのは、納得でもありますが、驚きでもありました。

普通の人が「見たがらないもの」を堂々と出して見せる・・・でもそれが観客、しかもフィルメックスの観客に受け入れられた・・・というのが、嬉しいと同時に驚きでもあります。 

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