春風沈酔の夜
Spring Fever/春風沈酔的晩上
2009年11月28日 有楽町朝日ホールにて
(2009年:中国:119分:監督 ロウ・イエ)
第10回東京フィルメックス特別招待作品
ロウ・イエ監督の映画は、『ふたりの人魚』にしても、『危情少女 嵐嵐』にしても、作りこんだ世界・・・というのが印象に残っている監督ですが、今回は、男3人、女2人のずばり愛憎物語。
愛憎、といってもメインになっているのは、男性3人のホモセクシャル関係で、最初に、恋人同士の男性、ワンとジャンが、手をつないで山のロッジに旅行に行くところ、そしてそこで愛し合う姿が、ば~~~~んと出てきます。
ワンの妻が、不審に思って夫の尾行を探偵のルオに頼む。
しかし、ルオの報告で、壊れてしまった、ワンとジャンの仲ですが、ジャンにひかれてしまうのが、探偵ルオ。ミイラとりがミイラになってしまった・・・というべきか。
困惑するのは、ワンの妻とルオのガールフレンド。
恋愛がメインの映画は、もう、取り残されて、ついていけなくて、誰が誰を好きだろうがどうでもよろしい!なんて思ってしまうものがありますが、この映画は、固唾をのんで、この男3人、女2人の行方を見守る・・・・こととなりました。
個人的には、誰がいいとか、思わないにしても、この緊張の持たせ方はすごいです。
恋に恋したい人に、甘い恋愛映画・・・・はわかるけれど、わたしは、特にそういうことはない「興味がない観客」にこれだけ固唾をのませるとは。
ロウ・イエ監督は大変、知的な方で、上映後の質疑応答で、男同士のセックス描写が過激すぎないか?という質問に、「事実は事実として映画にしたい」といったことをすぱっと言われていて、自信があるんだなぁ、と思いました。
この映画は、全体として性的、というより、知的です。
妙にどろどろしたところがなく、ヒステリックでもなく、まだまだタブー視されている同性愛を自信をもって映画にする。かっこいいなぁ。つ
******後日追記*****
私は映画祭でこの映画を観たのですが、中国でも上映禁止らしいです。
日本では、新宿の「中国映画の全貌」で観られたらしい・・・くらいの情報しかありません。残念です。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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