インビクタス 負けざる者たち
Invictus
2010年1月22日 中野サンプラザにて(試写会)
(2009年:アメリカ:133分:監督 クリント・イーストウッド)
とても硬派で、まじめな映画です。
インビクタス・・・負けざる者たち。勝つのではなく、負けない、ということをしみじみと思うのです。
この映画は、マンデラ大統領の映画で、実話といっても、マンデラ大統領が刑務所をでて、南アの大統領になったところから始まりますが、ラグビーワールドカップに、弱くて「国の恥」と言われているラグビーチームが、開催国ということで出場・・・誰もが負けるよ、、というところを、南アチームが優勝した、ということは意外と知られていない事実だそうです。
モーガン・フリーマンがマンデラ大統領で、プロデューサーも兼ねているから、こういう場合にありがちなのは清廉潔白な人物・・・という役になってしまうところなのですが、確かにマンデラ大統領が、アパルトヘイト問題その他、問題山積みの国の大統領になってすばらしい人物・・・となっていますが、反面、プライベートな家庭生活では、妻や娘と別居状態で、いわゆる良い父親ではない・・・というところがさらり、と出てきて感心してしまいました。
白人主体の南アのラグビーチームはほとんどが白人でキャプテンは、マット・デイモン。
黒人はひとりだけですが、実際は、南アで一番人気なのがこの黒人選手。
マット・ディモンは、試合に負けるたびに、責任をとれっ!とバッシングされています。
マンデラ大統領はキャプテンに会って、交代はしない、選手の入れ替えもしない、そのままで、是非、国の威信をかけて、ワールドカップで善戦してもらいたい、と話をするだけです。
特に、ひいきにした、というわけではないのですが、その思いを知って、なんとかしなければ・・・・と思うキャプテンとマンデラ大統領の激務が並行して描かれます。
問題山積みな国とラグビーチーム。まぁ、恋愛が派手に描かれる訳でもなく、大きな事件が起きる訳でもないのですが、勝つのではない、負けない国、チームにする、ということを地道に描いたところ、とても硬派だなぁ、と思いました。
マット・ディモンが首が太くて、いかにも、ラグビーやってます、といういい体で、試合の後に、選手たちに缶ビールを投げて渡す時の鋭いパスのような動きなんかに感心。
マット・ディモン、いい役もらったなぁ、という感じです。
本当の映像を交えながら、ドキュメンタリー映画のようでもあり(ロケは、ヨハネスブルグとケープタウンで敢行)リアルな映像と試合のスリリングさ。
マンデラ大統領という人は、とにかく、周りの人にあいさつをして、声をかける。
白人大統領が、退陣したから、もう、白人の職員はクビ・・・という雰囲気の中、「残ってもらう」と宣言。
とにかく、おはよう、とか、元気?とか、声を本当によくかけるシーンがあって、そういうところでもお人柄がわかりますね。
本当に、ツンとして、あいさつしても、ツンとして、全く無視なんて人、たくさんいるから、マンデラ大統領、それだけでも、えらい・・・なんて。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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