ジャッカルの日
The day of Jackal
2013年11月20日 TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて(新・午前10時の映画祭)
(1973年:イギリス=フランス:141分:監督 フレッド・ジンネマン)
TOHOシネマズでは、午前10時一回だけで、過去の名作と言われる映画をリバイバル上映しています。
わたしの部屋の机の横の壁には一年間の上映スケジュールがはってありますが、この『ジャッカルの日』は、有名で聞いた事はあるけれど、名画座などで見逃していた映画です。
ビデオでもDVDでもあるし、テレビ放映も随分されてきたのですが、最近になって映画のDVDを観る度に思うのは「ああ、映画館で観たかった・・・・」
丁度、体調も少しずつ良くなってきて、映画館へ行く余裕が出てきたかな・・・というところでここは名作、観てみましょう。そうしましょう。
作られたのが1973年ということは40年前の映画なんですね。
いや~この時代で上映時間が二時間二十分というのはぜいたくです。
フランスでアルジェリア独立を認めたシャルル・ドゴール大統領。反対派もたくさんいて、映画の冒頭、ドゴール大統領が暗殺されそうになるところから始まります。
暗殺は失敗。そして反対過激派、OSAは殺し屋(映画字幕では殺し屋となっていましたが、台詞ではコントラクト・キラー)を雇うことにします。
イギリス人の殺し屋、暗号名「ジャッカル」(エドワード・フォックス)
殺し屋の実績あるジャッカルの入念な準備と、暗殺を阻止しようとするフランス警察、両方を追います。
最初のうちは、ジャッカル有利で、警察は後手、後手となり、悔しい思いをするのですが、警察もバカじゃない。
どんどんジャッカルの行方を問い詰め、偽造を見抜き、だんだんその距離が近づいてくるのをドキュメンタリータッチで描く大変、硬派な映画です。
とはいえ、ジャッカル役のエドワード・フォックスは大変おしゃれで、もう、ジャッカル・ファッションショーか?と思うくらい髪を染め、洋服を替え、車を変え・・・基本的にジャッカルはワイシャツの下に小粋なスカーフをしていて、それがころころと変わるのが、ぴったり身についていておしゃれというのは身につくものだ、とほとほと感心。
映画自体は、硬派で派手な恋愛など描かず、ドゴール大統領が解放記念日の行事で外に出る、人前に出る・・・そのときを追います。先を読んでたくさんのパスポートを作り、色々な国の人になりすまし、「肝心なのは逃げ道だ」という台詞そのまま準備を丁寧に説得力あるドキュメンンタリータッチを貫いています。
警察も対策本部を作り、丁寧にその足跡をしぶとく追っていく。さて、解放記念日の行事がはじまる・・・それまでジャッカルと警察の奮闘ぶりが、みっしり描かれているので最後のクライマックス大変な緊張感とスリリングさ。
ジャッカルを演じたエドワード・フォックスは一見、優男に見えるのですが、その大胆な行動力で観る者をうっとりさせる。
硬派、と書きましたがそういう所は、大変、ジャッカルという殺し屋のキャラクターを綺麗にまとめあげていて、その分、警察の地を這うような捜査とのあざやかな対比となっています。
対比のさせ方、ものすごく上手い映画で、単なる悪役と警察の追いかけっこにはしていません。
さすが、名作リバイバルに選ばれる映画。映画館で2時間20分、あっという間ですよ。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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