メリー・ポピンズ

メリー・ポピンズ

Mary Poppins

2013年12月28日 DVD

(1964年:アメリカ:139分:監督 ロバート・スティーヴンスン)

 TOHOシネマズの過去の名作を再上映する企画「新・午前10時の映画祭」で今年選ばれた映画で、本当は映画館で観ようと思っていました。

しかし、体調不良により映画どころではなく、DVDで観る事に。

この映画でメリー・ポピンズ役のジュリー・アンドリュースが映画デビューしましたが、もう、この映画でアカデミー主演女優賞をとり、そのすぐ後に『サウンド・オブ・ミュージック』と続く訳です。

 製作はウォルト・ディズニーでディズニー映画のクラッシックになっています。

ディズニーのアニメで育ったようなわたしですが、やはりウォルト・ディズニー存命の頃のディズニー映画が好きです。

この映画では、アニメーションと実写の融合という事をやっていますし、ミュージカルとしてもいい曲がそろっています。

この原作が書かれたのが1934年。イギリス児童文学は上流階級ものが多く、「乳母」の存在なしには語れません。

 しかし、この映画のバンクス家は子どもがにくたらしくて(?!)乳母(ナニー)が長続きしません。

冒頭、辞めさせていただきます!と出て行ってしまう乳母が、字幕では「子ども」になっていましたが、Little beastsと言っていて笑ってしまった。

銀行家である主人は乳母のせいだ、と言いますが、4ヶ月で6人も辞めるってどっちが悪いのかは一目瞭然。

そこに東風に乗ってやってきた、ナニーのメリー・ポピンズ。

魔法使いのようであって、不思議な、そして楽しい乳母ですが、時代設定は1910年ということになっていますので

まだまだ上流階級では、親は育児は乳母にやらせる、という具合で、優しいだけじゃない、きちんと厳しい時は厳しいのです。

 ジュリー・アンドリュースが、優しい時は優しい、厳しい時は厳しいの使い分けがとても上手い、子どもに媚びるでなく自分も楽しみながら、背筋をピンとのばしているのがいい。

これは子ども心をすぐに掌握、ということをすました顔で次々とする。

きれいな人でありながら、お茶目な時はお茶目、ふざけるときはふざける、きちんとするときはきちんとする、みたいな表情の変化が楽しく、ただの「白人のきれいな女の人」ではない、見所がたくさんある映画です。

その分、官能的というよりも、(サウンド・オブ・ミュージックを含めて)子どもの相手が上手い女の人というイメージになってしまったかも。

 Thank you.と言う時の「さ~ん きゅ」とオスマシ顔で、ツンとしているところが一番好き。

造語で、歌になっていますが、辛いときの呪文、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は世界で一番長い単語だそうですが

最後の最後まで伏線になっていて、意外なキャスティングも驚きで、楽しい映画でした。

 和田誠さんもこの映画がお気に入りだそうですが、映画ではオードリー・ヘップバーンが演じた『マイ・フェア・レディ』をニューヨークの舞台で観た時は、ジュリー・アンドリュースがやっていたそうで、映画は最初は下品な下町娘でも、オードリー・ヘップバーンだと

最初からきれいになってしまっているところ、舞台版ジュリー・アンドリュースの変身ぶりは凄かったそうです。

もともとが舞台の人だから、その辺は上手いのでしょうね。

ちなみに、ジュリー・アンドリュースが書いた児童文学『マンディ』という本がとても好きです。

才能ある人だなぁ、ジュリー・アンドリュース。

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