水の中のナイフ
Noz w wodzie/Knife in the water
2014年1月19日 DVD
(1962年:ポーランド:94分:監督 ロマン・ポランスキー)
この映画がロマン・ポランスキー監督、初監督作品。
いや~見終わって知りましたね。これが初監督作品だったと。実に安定した映像美です。
ポーランドの裕福な夫婦が車に乗ってヨット乗り場に行く途中、1人の若者がヒッチハイクしているのを乗せます。
夫婦に誘われて、ヨットに乗る若者。若者は貧しくて、ヨットなど乗った事がないと言います。
そして、3人は夫婦の自家用ヨットで湖で帆走することになりました。
夫婦2人はヨットに慣れていて、てきぱきと帆や綱や舵を操りますが、若者は見ているだけ。
3人は和気あいあいというより、なんだかぎくしゃくしています。
そのぎくしゃくが狭いヨットの中で繰り広げられる訳ですが、どうやってここ撮影したのかなぁ、と思うくらい映像が水の上で
安定しているのです。
アーサー・ランサムのヨット帆走ものが大好きなので、ヨットのあれこれがこうだったのね、と感心して
見てしまう訳ですが、だんだん3人の間の空気は気まずくなります。
ただ、夫婦は豊かな生活を見せびらかしたいだけなのか。妻は少々、夫にうんざり気味。
歩く方がいい、と言い張る若者を引き留めて、ヨットに乗せるし。
若者の数少ない荷物の中にとても大きな飛び出しナイフがあります。
そのナイフが危なっかしいのですね。嫌な予感を感じさせるナイフの使い方が上手いです。
若者が持っている金目のものはナイフだけ。
夫婦は貧しいところ、金持になったらしく、車もヨットも持っている。
ヨットを軽々と操る金持夫婦と、泳ぐこともできない、という貧しい若者。
この映画は、ラスト5分であっという事になります。そして3人はどうなってしまうのか?
限られた空間の中で、出てくる人物は3人だけ。しかし、ヨット(カメラ)は自由自在に動き廻り、空気は不穏。
久々に安定した不安定というものを観たような気がします。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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