俺はまだ本気出してないだけ

俺はまだ本気出してないだけ

2014年2月12日 DVD

(2013年:日本:105分:監督、脚本 福田雄一)

 福田雄一監督は、『逆境ナイン』の脚本を担当していた、というのにすごく納得してしまったのが、前に観た

『HK/変態仮面』でした。

笑いか、ヒンシュクか、ギリギリの所でわたし個人的にはセーフだったんですよね。

だから、大好きな人と大嫌いな人が極端に別れると思う『逆境ナイン』と『HK/変態仮面』

 漫画原作ものが多いようですが、わたしは原作漫画を読んでいないから幸いにも比較が出来ません。

比較しない方がいい場合もあるので、比較はあまりしたくないところ。

しかし、この映画の場合は・・・・とことんばかばかしいという世界ではなく、「身につまされてしまう」という痛さを

感じました。恋に恋する恋気分の若い高校生男子の世界ではなく、42歳にして漫画家デビューしようとする男を描くからです。

 黒木シゲオ(堤真一)は、会社を辞めてアルバイトをしながら漫画家をめざすことに「なんとなく」なる。

まだ、本気出してないから出版社に持ち込んでも、ボツをくらうだけだ、、、と楽観している、というのが

「ばかばかしく」描かれていないのね。

どちらかというと、ばかばかしく作っているつもりでも、実は周りの人びとが「まとも」なので結構、まともな映画になってしまった

けれど、なんとかしてばかばかしさに持ち込もうとしているように思えました。

 若い時と違って、もう、自分のやりたいことをやるだけではすまない40代。

それが、結構、痛いのね。身につまされてしまうというか。

ばかばかしいなら、主人公だけでなく、周りや悪役がそれを上回るくらいばかばかしいといいのですが、この映画は

「いい話」に持ち込んでしまうから、痛いのです。結局、ちんまりとまとまったちんまりした映画になってしまったみたい。

それが残念と言えば残念だし、脚本もぶっとんだような、誰も思いつかないような面白さがなく、やはり「いい話」か・・・と

思ってしまいました。

「いい話」が好きな人は楽しめるけれど、福田雄一監督の「毒」みたいなものは薄れている映画です。 

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