フィツカラルド

フィツカラルド

Fitzcarraldo

2014年2月15日 DVD

(1982年:ドイツ:157分:監督 ヴェルナー・ヘルツォーク)

 この映画がすごいのはなんといっても「船が山を越える」を特撮なしでやりぬいてしまったことでしょう。

ヴェルナー・ヘルツォーク監督はこの映画でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。

 19世紀末の南米。主人公のフィツカラルド(クラウス・キンスキー)の無謀とも言える壮大な計画。

それは、アマゾンの森の中にオペラ・ハウスを作る、です。

冒頭、無類のオペラ好きであることが語られますが、当時、南米はゴムの生産に目をつけた西洋人たちが群がり、

土地を奪い合い、ゴム長者になれる時代です。

 そんな中、フィツカラルドの夢は「オペラ・ハウス」を作る。

その資金の為に、激流があって物流が無理だ、と言われている川を船で渡って、その土地のゴムで金を儲けようという事を考えつく。

奇人扱いされている中で、唯一、理解があるのは高級娼館をしているモリー(クラウディア・カルナーレ)

モリーの資金援助で船を買い、アマゾン川に乗り出しますが・・・・行く手には、排他的な原住民たち、過酷な激流・・・

もう、目に狂気をたたえて、それにいどむフィツカラルド。

 誰もが無理だ、という中を本当にやってしまうフィツカラルド。

西洋人がどんどん入り込んで植民地化してしまう、ヨーロッパの様子をあざ笑うかのように、「アマゾンにオペラ・ハウス」

どうやって撮影したのだろう、と思わせる船の行く末。

アマゾン川からの2つの支流が一番、接近している所は、船で山を越える・・・ということを思いつきます。

そして原住民たちの協力を得て・・・なのですが、普通、ここで原住民との友情なり、信頼なりがドラマになったりしますが

この映画は、何故、協力的なのか謎となっています。

 決して、気を許さない原住民たち。しかし、船はじり、じり、と山を登る。

フィツカラルドのやった事は、金儲けの為ではなくあくまでも趣味なのですが、それに賭ける執念の映画。

ここまでやれば、もう、船が山を登っていく・・・それだけでこの映画を観た満足感は得られてしまう。

すごい映画があったものですね。

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