ベイマックス
BIG HIRO 6
2015年2月15日(吹替え版)/2月18日(字幕版)
TOHOシネマズ市川コルトンプラザ/TOHOシネマズシャンテシネにて
(2014年:アメリカ:108分:監督 ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ)
予想だにしていなかったのですが、気に入って吹替え版と字幕版、2回観てしまいました。
最初は、ポイントがたまったのでタダで観られるので時間の都合がいいもの・・・と『悼む人』の後に吹替え版を観たのです。
最近のディズニー映画の絵は変わってしまったからなぁ、と全然期待していなかったのですね。
逆に何の知識もなく、期待もしていなかったから、まず、びっくりしました。よくできているので。
よくよく考えたら脚本が実に上手くて、「見せる」ということを非常に意識している上手い映画ですね。
この映画のプロデューサーは「映画は技術よりストーリー」と語っている通り、古くさくない、それでも
すたれないものを作り出すのはとても難しい。
この映画は、まず舞台設定が、サンフランソウキョウという都市で、サンフランシスコと東京が合体したような
架空の都市です。
この都市の様子がとてもいいのですね。『ブレードランナー』や『イノセンス』を思い出させるような日本的な
雰囲気、小さな路地、漢字の看板、日本風の屋根、家屋、それでも地図はサンフランシスコそのままなのだそうです。
14才の少年、ヒロは科学的な天才少年。もう、高校も終わらせてしまい、大学に通っても得るところはない、と
自分の作ったロボットで金を賭けた違法のロボット・ファイトに夢中になっています。一見シンプルで弱そうなヒロのロボットは
実は無敵なのです。
両親は3才の時に亡くなってしまい、叔母のキャスが母かわり、そして一番の理解者は、サンフランソウキョウ工科大学生の
兄、タダシです。タダシに連れられて、キャンパスに行ってみると科学の研究をする仲間たちが色々な研究をしていて
それに触発されて大学に行きたいと思うヒロ。
タダシが開発しているのは、病気の人を助けるケア・ロボット、ベイマックスです。
ロボットと日本語版でも字幕でも出ていましたが、台詞ではロボットという言葉は使わず、「コンパニオン」と言っていました。
第一、体が白いビニールでできていて、ふわふわ、動きは緩慢で、顔は日本の鈴をイメージしたというシンプルさ。
痛い、という言葉に反応して、動き出します。
ヒロは何か新しい開発をしないと大学に入る事を認められないと言われ、自分なりの研究を始めます。
そこで考えついたのが、マイクロボット。一見、小さなねじのようですが、これがたくさん集まり、自分の意志で
自由自在に動かせるようにしました。この映画の見所はレトロなベイマックスと、マイクロボットの疾走感の対比ですね。
その発表会で、マイクロボットを売らないか、と持ちかけられても、断るヒロ。
皆で帰ろうとしたときに、発表会場が爆発し、タダシがそれに巻き込まれてしまう。
兄を急に失ったヒロ。その時、痛い、とつい言った時にタダシの忘れ形見、ベイマックスが動きだす。
爆発でなくなったはずのマイクロボットが大量に作られており、また、会場の爆発の原因も探ろうと
仲間たちとベイマックスを戦闘部隊、レンジャーもののように作り替えるヒロ。
さて、真相は?
ベイマックスの動きは幼児の動きを参考にしたそうで、よちよちと歩く姿や病気の事になるとなんでも答えてくれるし、
精神的なケアもちゃんとできる(よしよし、と頭をなでてくれる)でも、行動となるともたもたしていてロボットという
感じがしません。
ヒロは、ベイマックスも戦闘用にヴァージョンアップしますが、そのせいで、動きが速くなるか、というと
あまりそうでもないところ(力が強くなったりはしますし、空も飛べるようにはなりますが)脱力感がとてもいいペイマックス。
もともとはマーベルコミックスのレンジャーものだったそうで、原題もそうなっています。
しかし、一番は心優しい兄、タダシの意志を継いだベイマックスの最後の最後までとことん優しい所ですね。
それが押しつけがましくなく、説教くさくもないところがとても気に入っている所です。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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