味園ユニバース
2015年2月21日 TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて
(2015年:日本:103分:監督 山下敦弘)
そうか、山下敦弘監督の『リンダリンダリンダ』は2005年の映画で、丁度、10年前の映画だったんだ。
そんなことをふと、思ってしまいましたが、この映画も音楽が大きな要素となっています。
ジャニーズの関ジャニ∞の渋谷すばる初主演、と言われましても、私は渋谷すばるさんを全然知らなかったので、
映画の後、ちょっと調べてみたのですが、あらまぁ、アイドルアイドルしているのねぇ。
この映画では、影があるというか、性根が腐ったままの役ですから、どちらかというと汚れた部分もある役です。
ディズニー映画の王子様にもなれるはずなのに、『味園ユニバース』という所が興味深いですね。
今時、アイドルだからって・・・アイドルの役はやらないのです。うむ、大変だなぁ。
舞台は大阪。
一人の男(渋谷すばる)が、襲われて頭を殴られ、記憶を失った所から映画は始まります。
丁度、その時、イベントが開かれていて、赤犬というバンドが演奏中。
何故か、その殴られた男はマイクを奪い、『古い日記』をいきなり歌い出す。
赤犬というバンドは、マネージャーをしているのがカスミという女の子(二階堂ふみ)で、両親が早く亡くなって
家の貸しスタジオとカラオケを継ぐ為に、高校も行かなかった若い女の子です。当然、若い女の子らしい遊びや
つきあいもありません。
カスミに拾われて、居候をすることになった男。名前を「ポチ男」と呼ぶことにします。
そんなとき、バンド赤犬のボーカルが怪我をして、歌唱力からポチ男が舞台に立つことに。
記憶は全くなくしてしまっても、歌の才能はあり、歌だけは覚えていたのと、やはり歌唱力があったからです。
無愛想で滅多に笑わないカスミですが、ポチ男も言葉少なく、台詞がとても短く少ない映画。
言葉で何もかも説明してしまう映画が多い中で、見せるという事、歌うという事がよくわかった脚本です。
渋谷すばるは、傷だらけなんですが、目力がとても強くて、歌がとても上手いのですね。知らなかったですねぇ。
しかし、はぐれものには変わりない訳です。カスミと出会ったからいい人になったとか、記憶が戻ったから
更正したとか、そんな甘ったるい事を一切排除してしまって、殺風景な中にぽ~んと役者を放り込むような事をします。
そして迎える味園ユニバースというライブハウスでの赤犬の単独ライブ。
ポチ男は記憶が戻るのか、それとも?
若いのに、その若さをまったく謳歌していない二階堂ふみの存在感も、渋谷すばるの存在感も化学反応を
起こすように火花が散るようで、観ていてスリリングな静かな風景だったりする魅力あり。
渋谷すばるって歌、上手いね。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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