エール!

エール!

LA FAMILLE BELIER

2015年11月18日TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて

(2014年:フランス:105分:監督 エリック・ラルティゴー)

 2015年のフランス映画祭のオープニング作品で観客賞をとった映画が公開されました。

地元のシネコンでは、上映回数は少ないですが、こういった小品映画も上映してくれます。

観た動機はフランス映画、久しぶりだったからです。

 フランスといってもパリから遠く離れた村の女子高校生、ポーラ(アンヌ・エメラ)

家は酪農をしているのですが、特殊なのは両親、弟が耳が聞えないという障害を持っていて、唯一、耳が聞えるポーラは

何かといっては、手話で周りの人と家族をつなぐコミュニケーションにとても重要な女の子なのです。

しかし、学校でコーラスのクラスを専攻したことから、もともと音楽好きだったポーラですが、歌が非常に上手いという

事を顧問の先生に見抜かれ、パリのオーディションを受けることを勧められます。

 田舎の村でそれなりに過ごしていたポーラですが、自分が歌手になれるかもしれない、そういう将来の道がいきなり開けて

嬉しかったり、戸惑ったり。しかし、ポーラが家を出てパリに行ってしまったら、聴覚に障害のある両親、家族はどうなってしまう?

という板挟み映画でした。

しかも、父は耳が聞えないながらも村長に立候補することになりました。それを一番に支えるのが通訳であるポーラなのです。

当然、歌の学校の事は言えず、言ったら大反対。でも、好きな男の子の勧めもあり、自分の好きな歌の道にも心惹かれるものが

多いにある悩みです。

 映画的には大作映画ではないし、ティーンエイジャーもの、家族もの・・・ではあるのですが、観ていて家族と自分の夢の

板挟みになるポーラの様子が結構、繰り返して出て来て、疲れてしまいました。

おそらく聴覚障害がなければ、何の問題もなくパリの学校へと行けたのかもしれませんが、とにかく家族の束縛がきついのです。

悪気はないけれど、スキンシップの多さとか文化の違いも多いに感じて、それが映画の醍醐味でもあるわけですが、

とにかく家族を嫌っている訳ではないけれど、自分のやりたいことを妨げていることは確か。

今の私にはそれがかなり重く感じました。

スキンシップとかは完全に日本ではないのですが、いつでも一緒の家族、わかるんだけど、かなり重いです。

でも最後は皆、わかってくれるんですけどね。そういう映画だと観ていてわかってしまう、というのも振り返ると映画としての

魅力=どうなるのか全く予測不可能な世界が好き、という自分にはちょっと重かったかな、と思います。 

0コメント

  • 1000 / 1000

更夜飯店

過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。