アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー

AMERICAN SNIPER

2015年2月28日 TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて

(2014年:アメリカ:132分:監督 クリント・イーストウッド)

 考えてみれば、アメリカが作る戦争映画ってあまり観た事がありませんでした。

年代的に1980年代が映画を見始めた10代で、丁度、ベトナム戦争映画が真っ盛りで、戦争映画というのは

怖いものだ、と思うようになったのを思い出します。

40代になってDVDで『ディア・ハンター』『フルメタル・ジャケット』など名作といわれるものをやっと観たのです。

 クリント・イーストウッド監督は『硫黄島からの手紙』他、戦争映画もたくさん手がけていますが、私はあえて

観ていません。どうもアメリカが描く戦争は興味がないというか。

しかし、タイム・ハズ・チェンジ。もう、戦争映画で気分爽快、勧善懲悪、すっきり、なんてことはないですねぇ。

かといって、声高に戦争反対、と訴えても戦争はなくならない、という気もします。

 この映画は、実在したイラク戦争での名狙撃手、伝説と呼ばれるまでになったクリス・カイルの物語です。

映画の冒頭、イラク(撮影はモロッコ)で、女性から少年に爆弾が渡されるのを狙撃するという衝撃的な

シーンから始まります。

女子どもとはいえ、そのまま見過ごせば、アメリカ軍がやられてしまう。

よく、狙撃の時に片目をつぶって標準を合わせますが、カイルは両目をしっかりあけて狙撃します。

 しかし、そんなカイルもアメリカでは、普通に結婚し、子どもが2人生まれ、奥さんはイラクに派遣される事を

嫌がるようになります。

派遣と字幕ではなっていましたが、Tour One とか、Tour Twoと「ツアー」と言うのですね。

日本でツアーというと、旅行などで使われますが、戦争派遣もツアーでありました。

 さて、伝説と言われるぐらいの名狙撃手のカイルですが、派遣も4回目になると精神的に疲労してきます。

もちろん、「国を守るためだ」と言いますが、戦場での緊張はじわじわとカイルを蝕んでいきます。

しかし、カイルを蝕むのは「イラク戦争」だけではありませんでした。

驚愕のラストだったのですが、これは実話なのでアメリカでは有名な話なのでしょう。

 最後に実際のクリス・カイルの写真が出ますが、映画で演じたブラッドリー・クーパーはそっくりです。

顔が似ているというより、もう、体つきから何からそっくりなので驚きました。

ラストのクレジットタイトルは音楽を流さず、無音。

それもこの映画にふさわしく、観ている間よりも、見終った後にじわじわと腹に来る、どっしりとした映画。 

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