きっと星のせいじゃない。

きっと、星のせいじゃない。

THE FAULT IN OUR STARAS

2015年3月1日 TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて

(2014年:アメリカ:126分:監督 ジョシュ・ブーン)

 映画を観てから随分と日にちが経ってしまいましたが、その間に原作『さよならを待つふたりのために』(ジョン・グリーン)も

読みました。

映画と原作を比べてどうだ、っていうのはあまりしないのですが、原作者、ジョン・グリーンは映画化には

消極的だったそうです。

「ただのガンの小説にしなかったように、映画もガンの映画にするつもりはない」と説得されたとか。

そのせいか、映画は原作に非常に忠実で、主演のふたりもイメージぴったりでなんの違和感もありませんでした。

なんとなく、ガン患者の映画であってもどこかきらきらした透明感あふれる空気というのは、原作も映画も同じで

良いことだと思います。はい。

 主人公のヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は肺のガンで、肺を補助するカニューレという管を鼻につけ、

酸素ボンベをいつも携帯していなければならない16歳のティーンエイジャー。

もう、長くは生きられないとはっきり宣告されているので、高校へは行かず、資格だけとって短大で文学を

学ぶ女の子です。

ガン患者のサポートグループの集会に両親は友だちを作る為に出ろ、と言うけれど、結局、傷のなめ合いで

白けてしまうヘイゼル。

 しかし、そこでオーガスタス(アンセル・エルゴート)という17歳の骨肉腫で足が義足の男の子と出会う。

オーガスタスはヘイゼルに一目惚れで、色々と誘ってきますが、ヘイゼルはもう、誰も傷つけたくないと

人とのつきあいは避けるようにしている。

ヘイゼルは本が好きで、ピーター・ヴァン・ホーテンという今はオランダ在住の作家の『大いなる痛み』

(原作では『至福の痛み』)という本の大ファン。

しかし、この本は未完で終わっていて、続きが知りたいとオーガスタスに話します。

 本を通じて、親密になるふたりですが、オランダに行って、作家に会えるかもしれない、という話になります。

ところが、意外な展開に・・・・。

 恋愛&病気&ティーンエイジャーもの、というだけでは観なかったと思うのですが、本をめぐる物語であると

知って観てみたら、とても明るく、そして繊細な映画でした。

ヘイゼルを演じたシャイリーン・ウッドリーが原作通り、大きな緑の瞳で、とても目力のある役者さんで

もちろん泣くこともあるのですが、笑うところも、怒る顔もとてもキュート。

 相手役のガスことアンセル・エルゴートも、骨肉腫で義足なのにジョークを飛ばし、明るい、行動的という

影にある病のつらさ、みたいなものも上手く、とてもキレイに演じていました。

 ヘイゼルの母親がローラ・ダーン、作家、ヴァン・ホーテンがウィレム・デフォーと脇の役者さんもいいです。

なによりも、お涙頂戴ではなく、すごく勇気をもらったような気持になる、さわやかさが全体を通じていい映画。

オランダのロケもとてもキレイです。

大作映画ではないけれど、小品ながらいい映画でした。 

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