ひそひそ星

ひそひそ星

The Whispering Star

2015年11月21日 TOHOシネマズ日劇にて(第16回東京フィルメックスオープニング作品)

(2015年:日本:100分:監督、脚本 園子温)

 久々に東京フィルメックスの映画を観ました。

最近は映画に行くと言うとシネコンなのですが、さすが東京フィルメックスの映画は違いますねぇ。

商業主義から遠く離れた映画中心主義。映画は1シーンをのぞいてモノクロです。

 未来を描いていますが、ロケをしたのは福島であって震災後変わりゆく福島の姿をとらえています。

人間が滅亡しつつあり、人間は2割で、ロボットが8割という世界で、一人の女性アンドロイドが宇宙船で宅配便をしています。

映画は淡々と荷物を配るアンドロイドを描き、言葉を発するのは宇宙船のロボットだけです。

 荷物といっても簡単な箱に様々なものが入っていて、それは残された人間たちの思い出でしょう。

しかし、それが配達されるのは10年も20年も後の事となります。

もし、もう、とっくに死んでしまった人から10年後に荷物が届いたら?そんな事を考えてしまう。

そして、無表情なアンドロイドがじわりと流す涙。涙が出るはずがないのに、涙ぐむアンドロイドが美しく哀しい。

美しく、哀しく、はかなげで、静かな映画でした。 

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